花王「アタック」34年も洗剤首位に君臨できる理由 洗濯機、衣類の大変化に向き合い進化を怠らない

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衣料用洗剤の「アタック」ブランド(写真=花王)
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2020年春から始まったコロナ禍で、在宅勤務が定着して3年目。近くのスーパーやドラッグストアに行く機会が増えた人も多いだろう。

大型店には多くの商品が置かれているが、家庭用品売り場で目立つ場所にあるのが「衣料用洗剤」だ。市場規模は年間で約2400億円と、家庭用品の中でもかなり大きい。

この市場で長年首位に君臨するブランドがある。花王の「アタック」だ。発売されたのは1987年(昭和62年)で、同年の「日経ヒット商品番付」(当時は日経流通新聞)で「西の横綱」に選ばれた。以来、34年にわたりトップシェアを守り続け、グローバルの売上高は1000億円を超える。国内では「アタックZERO(ゼロ)」という商品を軸に販売する。

なぜ、競合がひしめく衣料用洗剤で30年以上も首位でいられるのか。メーカーに取材しながら消費者意識を考えてみた。

2019年発売の「アタックZERO」をリニューアル

「アタックは、消費者の方の洗濯における『まっさらで気持ちいい清潔衛生』をお手伝いし、仕上がった衣服を着る時は『ストレスなく前向きな気持ちになれる』ことの実現を目指してきたブランドです」

花王の原岡理映さん(ファブリックケア事業部 ブランドマネジャー)はこう説明する。原岡さんは販売部門を経て、紙おむつや生理用品などのサニタリー事業本部(当時)を中心にマーケティング畑を歩み、飲料「ヘルシア」も担当。2020年、かつて部員として関わった「アタック」のブランドマネジャーに就任した。

「アタック」ブランドマネジャーの原岡理映さん(写真:花王、撮影のためマスクを外しています)

衣料用洗剤で70年以上の歴史を持つ花王の中でも、「アタック」は特別な存在だ。和歌山県和歌山市にある研究開発部門も日々注力し、その成果を商品開発に生かす。

「5月14日『アタックZERO』をリニューアル発売しました。今回、ニオイ菌などの隠れ家となっていた“バイオフィルム”が衣類の繊維の中に存在することを発見。このバイオフィルムは、これまで当社の除菌洗剤や酸素系漂白剤では落とせていなかったこともわかりました。新商品のアタックZEROは洗浄力と新処方により、ニオイや黒ずみの発生源となる“菌の隠れ家”にまでアプローチします。新商品の滑り出しは非常に好調です」(原岡さん)

3年前に発売した商品を改良し、広告でも「菌の隠れ家まで0へ!」と訴求する。

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