ホッケはなぜこんなに小さくなったのか? マグロ屋の三代目から見た日本の魚事情
日本の水産資源管理の方法は、「自主的管理」と「公的管理」だ。
自主的管理とは休漁期間や体長制限、操業期間や操業区域の制限などに漁業者自らが取り組む。しかし利害が一致する当事者の管理では限界がある。そもそも魚はじっとしていてはくれない。ある地域の漁業組合が資源管理を厳しくしたとしても、隣の県の漁業者が獲ってしまえばそれまで、である。広い海を泳ぎ回る魚を相手に、地域単位、漁業組合単位での管理にはやはり限界があるだろう。
国の取り決めが、小ぶりさを促している?
では、国が主導する公的管理はどうかといえば、これが大問題なのだという。日本の水産資源管理の方法は「その年に漁獲してもよい総量を決める」という制度だ。TAC制度(Total Allowable Catch)と呼ばれる。
とにかく早い者勝ちなのだから、魚が大きかろうが小さかろうがその魚種を捕りまくらざるをえない、ということになるのだ。だが、まだ卵を産んでいない小さい魚を獲ってしまえば、資源量に影響が出るのは明らかだ。
ある魚種の漁が解禁になると一斉にたくさんの船が全速力で出漁し、大漁旗を掲げて揚々と寄港する風景を、ニュース映像でよく目にする。そのときに報じられるのは「○○トンの水揚げ!」という“量”である。しかしその内実をみたときに、小さいがために商業価値が低く、値段がつかない魚が多くの割合を占めているとしたら。量が“収入”に結びつかないとしたら。それは豊漁と言えるだろうか。
漁業先進国で行っていることとは?
網の目を大きくしたり禁漁区や禁漁期間を定めたりといった規制が行われているとはよく聞くが、必ずしも効を奏していないようなのである。
ではどうすればよいのか。
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