ドコモ、「セット割引」で起死回生図れるか 紆余曲折経てようやく3月から販売開始

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 加藤社長は、セット割引が反転攻勢のきっかけになるのかとの問いに対して、「社内的にも鼓舞している。アップルのiPhoneと新料金プラン、光回線も含めてトータルでユーザーに利用していただきたい」と回答。まずは目前に迫る3月商戦で、どれだけ新規利用者を獲得できるのかに加えて、新サービスを足掛かりに既存客の来店を促し、端末やサービスの販売をどれだけ拡大できるかが、今後業績を回復するうえでのカギとなる。

来期も厳しさ続く

足元では厳しい状況が続いている。2015年3月期の営業利益は、音声通話収入に加え、端末割引費用の増加や新料金プラン導入の影響などで、前年同期比23%減の6300億円に沈む公算だ。来期についても、セット割引の負担が加わることで、一層厳しくなることも予想されるが、加藤社長は「減益になることはない」と断言。佐藤啓孝CFOも「新料金プラン導入時の反省を踏まえ、ユーザーが一気に変動するような設計にはしていない。あらゆる手段を考慮して業績を上向かせる」と説明した。

一方、サービス開始を前に懸念も残る。総務省は1月20日、光コラボについて、禁止行為などを例示したガイドライン案を公表している。1カ月間のパブリックコメント募集を経て、2月20日以降に最終的なガイドラインをまとめる方針だ。

ガイドラインについて、KDDIは「NTT東西に対する禁止行為については多くの例示があるが、ドコモに関する例示は不十分で不明確という印象。抜け道もあると考えられるので、追記を求めていく」(KDDI渉外部の岸田隆司氏)としている。ソフトバンクも「卸事業者の増加によって営業活動が過熱し、消費者問題化する懸念がある。具体的な手続きが始まる前にルール作りが必要」などと主張しており、何らかの制限が加わる可能性もありうる。

"悲願"とも言える、セット割引を始めることになったドコモだが、果して思い通りの船出をすることができるだろうか。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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