「業績上げたら年収1000万」の飲食店が敗北した訳 共感できる目標を掲げた星野リゾートとの違い

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ホテルは通常、フロント、客室係、調理スタッフ、接客スタッフなど、ポジションごとに役割が分けられ、それぞれがそれぞれの仕事をします。その結果、レストランスタッフは早朝の朝食を作ったあと、長時間の休憩があってから夕食の仕事をしなければならず、どうしても拘束時間が長くなってしまいます。

フロントは早朝がピークタイムで、その後長い休憩を挟んで夕方のチェックイン業務に対応します。客室係は顧客がチェックアウトしたあとのベッドメイキングのために日中働きます。

これはほんの一例ですが、レストランスタッフとフロント係と客室係は、ピークタイムがすべてズレており、アイドルタイムも異なるため、それぞれのポジションで暇な時間が生まれてしまい、ムダが多く、生産性が低いのです。かつ、部門ごとに役割が違うので、部門同士の関係性も悪くなりがちです。ホテル業はこの部門の割り振りによって「共通の目標」もなければ、「関係性」も悪いという状態になりがちな業種なのです。

職種の枠組みを取っ払った成功事例

しかし、星野リゾートでは、すべてのスタッフがあらゆる仕事をします。
・朝フロントで受付を済ませ、その後ベッドメイキングをする
・昼にアトラクションのガイドをしていたスタッフが、夜調理スタッフになる

といった具合に、星野リゾートのスタッフは、業界では大変珍しい「多能工化」の仕組みを導入しています。この多能工化は、ホテル業界では極めて嫌がられる取り組みです。調理スタッフは調理がしたいのであり、ベッドメイキングなどしたくない人が大半です。客室係は人のいない部屋の片づけをしたいのであり、フロントに出て愛想よく接客することに苦手意識があったりします。

自分の部署の仕事しかしたくない。そういう意識を持った人たちが集まるホテル業界において、その部門の壁を乗り越えて、すべてのスタッフがあらゆる仕事をこなす「多能工化」の仕組みを星野リゾートは取り入れています。それを可能にしているのが「共通の目標」です。

リゾートの達人になるには、私たちはどう働くべきか。それを問うことで、共通の目標に向かう星野リゾートのスタッフたちは、業界の非常識にチャレンジしているわけです。

目標に燃える星野リゾートのスタッフは、「魅力会議」というミーティングを定期的に行っています。ホテルに訪れる顧客に地域の観光を楽しんでもらうために、その地域の魅力をどう体験してもらうかのアイデアを参加者1人ひとりが提案し、実際に企画に落とし込んで顧客に提供する仕組みです。

これらの取り組みによって、星野リゾートは、多能工化で労働環境を改善しながら、魅力会議を含めたさまざまな改善で顧客満足度を高め、リピート率が上がり、口コミが増え、業績を向上させています。

この例を参考に、あなたもチームで掲げる目標について改めて考え、利己目標になっていないか、まずはチェックしてみるのはいかがでしょうか。

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アルファポリスビジネス編集部

アルファポリスはエンターテインメントコンテンツのポータルサイト。小説、漫画、書籍情報などを無料で配信。最近はビジネス系の記事にも力を入れている。

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