アイスクリームの「コーン」知られざるトップ企業 アメリカ人なら誰もが食べているあのコーン
しかし、ブルックリンのコーンメーカーであるコナリーの創業者クリスティーン・トンコノーは、アイスクリーム愛好家にはもっと多くの選択肢があるべきだと考えている。「炭酸飲料を作っているのがコカ・コーラだけだったらと想像してみてほしい」 と同氏は問いかける。「ワッフルコーン業界はまさにそうだ」。
トンコノーは2014年にこのビジネスを始めたとき、ジョイのコーンに注目した。「もっといいものにできるはずだと思った。もっと美味しく、もっとかわいくできるはずだ」。
コーンもアイスクリームと同じくらいワクワクするものであるべきだと、同氏は考えている。彼女のコーンは、オレンジ色のアイスクリーム入りアイスキャンディーや塩味のブルーコーンのように、鮮やかな色と味が特徴だ。
トンコノーによると、価格はジョイの3倍から4倍に上る。それでも同氏には、ホールフーズ・マーケット、テーマパーク、ブルックリンのコブルヒルにあるマライ・アイスクリームのような独立店舗など、幅広い顧客がいる。
5月下旬にソーシャルに来店したティファニー・パリスは、フレーバーコーンを選ぶことに興味はあるけれども、それはまず試食ができる場合に限ると話した。そうでなければ「リスクが高すぎる」と言い、自分が食べているジョイのシュガーコーンを「クラシック」と呼んでいる。
ジョイに勝つのがなかなか難しいワケ
ワシントン地区にあるアイスクリーム店ムーレンコーのオーナーであるスーザン・スーレンコによると、コネリーの製品は高価で、注文方法も複雑だ。「あんなにたくさんの選択肢を提供するなんてあり得ない」と同氏は話す。「混乱を招くだけだ」。
スーレンコはジョイのコーンを使っているが、愛着はない。シュガーコーンの味が濃すぎると感じているのだ。「もし地元企業が私のところに来て、あるいは地元企業でなくても、『ジョイと互角に戦えるよ』と言われたら、絶対にやってみる」と同氏は話す。
だが、同氏はそれが実現するとは思っていない。「アイスクリームというのは事実上すべての人にとって、ノスタルジーと結びついている」とスーレンコ氏。「おばあちゃんに連れられて出かけた思い出だ」。多くのアメリカ人にとって、そうした思い出はジョイのコーンと結びついている。
たとえほかに強力なライバルが現れたとしても、「それは問題ではないかもしれない」と同氏は言う。「思い出と張り合うことになるのだから」。
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