アイスクリームの「コーン」知られざるトップ企業 アメリカ人なら誰もが食べているあのコーン
アイスクリームショップのコンサルタントであるマルコム・ストゴは、外食産業で売られているコーンの60~70%がジョイのものだと推定している。競合のキーブラーは、店舗販売の14.5%を占めている。
2010年、ブライアン・スミスとジャッキー・カスクーナがブルックリンにアイスクリームショップのアンプルヒルズ・クリーマリーをオープンしたとき、提供していたのは自家製コーンだけだったが、スミスによると「それは5日間ほどしか続かなかった」。
コーンを十分な速さで作ることができず、顧客も自分が、なじみがあるコーンを求めたのだ。そこでジョイのコーンを追加した(スミスとカスクーナは、現在はアンプルヒルズのオーナーではなく、プロスペクトハイツで新しい店ソーシャルを経営しているが、そこでも自家製コーンとジョイのコーン両方を提供している)。
「もしジョイがまともな製品を作っていなかったら、私はもっと足をバタバタさせて泣きわめいていたことだろう」とスミスは話す。そして「ほとんどの人にとって、コーンなんて後回しなのだと思う」とも付け加える。
意外と知らないコーンの「作り方」
だが、ジョイのペンシルバニア工場では、コーンの製造は高度な技術とこだわりを持って作られている。
樽のような巨大なタンクには、コーン用の淡い色の生地(おもに小麦粉と水と砂糖)が入っており、さらにケーキコーンにはタピオカ粉が入っている。同社ではワッフルコーンとシュガーコーンには黒砂糖を使っており、ジョージによるとそのほうが丈夫で甘くなるそうだ。
迷路のように入り組んだパイプで生地が別の部屋に運ばれ、鋳鉄製の型に押し込まれ、350~400℃のオーブンの中で90~110秒間(コーンの大きさや種類によって異なる)回転する。
シュガーコーンやワッフルコーンの場合は、別の機械で型からコーンを抜き取り、スピナーにスライドさせて回転させる。そしてフロアの従業員が、ひび割れや凹凸や色ムラなどの欠陥がないかどうか、コーンを1つずつ点検する。
ジョイが革新を遂げたのは、コーンをオーブンからベルトコンベアに静かに移動させて梱包するロボットアームや、コーンをぴったりと包んで密閉する機械などの技術面だ。