今乗りたい「サンダーバード」石川ご当地鉄道事情 北陸新幹線で大変貌、ローカル線も見逃せない

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北陸本線は米原を起点に琵琶湖の東側を走って福井県に入り、以後は北陸地方を横断、最終的には新潟県の直江津駅を終点としていた大動脈だった。それが北陸新幹線の金沢延伸にあわせて金沢―直江津間が並行在来線として経営分離、県ごとに事業者が分かれることになった。その石川県内が、IRいしかわ鉄道という。

北陸新幹線延伸時にはIRいしかわ鉄道が石川県内全域に拡大される予定だ(撮影:鼠入昌史)

薄いブルーの車体が特徴的な第三セクター路線だが、富山県内からあいの風とやま鉄道の車両も、直通運転で金沢駅までやってくる。IRいしかわ鉄道線は金沢―倶利伽羅間の17.8km。ごく短い路線だが、2023年度末に北陸新幹線が敦賀まで延びる暁には、IRいしかわ鉄道が県内の北陸本線を吸収する予定だ。

金沢以南は今までの通りにJR北陸本線が大動脈として京阪神地域や中京地域と北陸を結んでいる。中規模の都市が連なる区間だけに地域輸送においても大いににぎわっている路線ではあるが、やはり主役は特急「サンダーバード」「しらさぎ」のツートップ。どちらもおおよそ1時間に1本ずつ運転されていて、大動脈・北陸本線の面目を保っている。

大阪とを結ぶサンダーバード

とりわけ大阪駅を発する「サンダーバード」は、京都駅あたりから自由席で乗車しようとすると、窓側座席はすべて埋まっていて通路側もポツポツと空席があるくらい、なんてほどの混雑を見せることもある。日本を代表する特急列車の1つだ。そんな列車が金沢駅までやってくるのもあと少しの月日となった。

このIRいしかわ鉄道・北陸本線という県内を貫く路線が、石川県内の鉄道のほとんどといっていい。それくらいの存在感がある。しかしもちろん実際にこれだけで終わるわけではなく、旅はまだまだ続く。

地図で石川県を見れば、どうしたって握りしめたくなる“柄”のような形状をしている能登半島。UFOの街・羽咋(はくい)や圧倒的な知名度を誇る温泉地の和倉温泉、そして輪島塗と朝市でおなじみの輪島などがある一大観光地だ。その能登半島に向かうには、IRいしかわ鉄道の津幡駅から北に延びるJR七尾線に乗らねばならぬ。

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