しかし、石川県が全国有数のクルマ社会であることと無関係ではないだろう、そういった北陸鉄道のローカル線は順次廃止されていき、今では浅野川線と石川線の2路線だけが残っている。
浅野川線は金沢駅東口の地下にある北鉄金沢駅を起点に北に延び、浅野川に沿って海水浴場としても知られる内灘砂丘に突き当たるまでを走る。ローカル線ではあるものの、一貫して金沢市北部の市街地を走っているのでお客の数はそこそこに多い。ほとんど1日中30分に1本という運転本数は、ローカル私鉄にしては比較的多いといっていいだろう。
元京王や元東急の車両に会える
また、浅野川線は長年元京王の3000系(北陸鉄道では8000系)が主力だったが、2020年からは東京メトロ日比谷線でおなじみの03系がやってきた。03系は他に熊本電鉄や長野電鉄でも走っているから、北陸鉄道もあわせて日比谷線三兄弟とでも言うべきだろうか。
もう1つの北陸鉄道ローカル線の生き残り、石川線は金沢市街地南部の野町駅から南に延びて鶴来駅までを結んでいる。両端いずれもほかの路線と接していないというなかなか個性的な路線ではあるが、途中の新西金沢駅はJR北陸本線の西金沢駅の駅前にあり、石川線唯一の乗り換え駅として機能している。
終点に近づけば近づくほど沿線は田園地帯になるザ・ローカル線であり、日中は1時間に1本と列車の数は浅野川線よりも少ない。こちらは元東急7000系が主力で、元京王3000系も活躍している。
こうしてローカル私鉄の旅も終えれば、石川県の鉄道はすべておしまい。北陸本線に乗って福井方面を目指せば、目下建設中の北陸新幹線の高架を横目に小松や加賀温泉といった街がある。どちらも北陸新幹線が開業時に駅が設けられる。
せっかくなので、いまのうちに北陸本線の特急「サンダーバード」か「しらさぎ」に乗って、工事中の新たな大動脈・北陸新幹線を見ながらの石川県の鉄道旅をしておきたいものである。
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