ソニー音楽配信撤退は「大決断」の前触れか 独自音楽配信を停止、Spotifyに統合へ

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SENはもともとゲーム機専用提供されていたPlayStation Network向けのメディア配信サービスを拡張し、スマートフォン、タブレット、テレビ、オーディオ、パソコンといった全ソニー製品を”つなぐ”サービスとしてリブランドされた経緯があった。

再びPlayStationブランドへと切り替える背景には、プレイステーション事業が好調であることに加え、製品戦略やグローバルの経営環境変化からSEN構想が行き詰まっていたことなどがありそうだ。

不採算事業徹底見直しの前触れ?

Xperiaシリーズの命運は?

ソニーはこの春、平井一夫社長体制となってから4年目を迎える。かねてより「3年後の数字で評価して欲しい」と話してきた平井社長は、過去1年で選択と集中を進め、この半年はデジタルイメージング事業とゲーム事業へと集中しようとしているように見える。今回の発表も、そうした一連の動きに沿ったものと見ることができる。

スマートフォンを巡る事業環境は大きく動いている。今回の発表は音楽配信サービスの事業提携とブランド再編でしかないようにもみえるが、昨今のネットワークサービスとハードウェアは、一体化した戦略が求められる。つまり、ネットワークサービス再編は、「次の発表の前触れ」と捉えることもできるだろう。春に向けて、さらに大きな事業再編を決断するとしても不思議ではない。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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