戦火続くウクライナ「鉄道の復興」はどうするか 線路幅はロシアと同じ、「EU加盟」の足かせに?

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一方、ウクライナ軍はロシア国境にある鉄道橋など、ロシアとの間を結ぶすべての線路を破壊した。ロシアと同じ、いわゆるロシアゲージと呼ばれる広軌(1520mm)を採用するウクライナは、ロシアとの間が線路でつながっている限り、簡単に侵攻を許してしまう。鉄道は、兵員の輸送はもちろんのこと、兵器や弾薬を一気に前線まで運ぶことができる軍事上重要な位置づけにある。かつて、ヨーロッパの西側でも一部の国で残されていた「鉄道撮影禁止」という法律は、鉄道が軍事に深く関わっていたことの名残りでもあった。

戦争の行方を問わず「復興」は課題に

ウクライナの将来は今後の戦闘の状況によって変化してくるだろうが、大まかに分けて2つのシナリオが考えられる。ウクライナがロシアの侵攻を止められず、ロシアの支配下に置かれてしまうか、またはロシアを退けて西側に接近し新たなスタートを切るかだ。NATOへの加盟は状況次第と言えそうだが、ロシアの攻撃に耐えきったあとは、いずれはEUの一員に加わる可能性は高いといえるだろう。そしてどのようなケースにせよ、まずは復興に必要不可欠な存在として、鉄道システムの早期復旧が喫緊の課題となるはずだ。

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