800人の限界集落が「デジタル村民」集め目指す世界 NFTを村民の証しに、村のガバナンスにも参加
アートをNFT化して販売、購入者は「村民」になれる
新潟県長岡市にある山古志地域(旧・山古志村)は、現在、村民800人ほどのコミュニティーです。2004年に発生した中越地震で、およそ2200人いた村民全員が村外への避難を余儀なくされた村、と聞けば思い出す方も多いのではないでしょうか。
その山古志が2021年2月、地域活性化の一環として、こんな施策を打ちました。世界にも多くのファンを持つ山古志特産の「錦鯉」を描いたデジタルアートをNFT化して販売し、購入者は「デジタル村民」になれるという世界初の試みです。
デジタル村民には「デジタル住民票」を発行。これにより地域活性化のプロジェクト会議への出席や、「デジタル村民選挙」での投票ができるようになります。NFTの販売は現時点で第2弾まで実施されており、すでにリアル村民数を超えるデジタル村民がいます。
NFTをデジタル村民の証しとし、村のガバナンスにも参加してもらう。しかも転売者が2022年3月時点ではゼロだといいますから、非金銭的で長期的な価値を取り扱い可能にするNFTの特性を、フルに生かした素晴らしい試みといえます。
こうしたweb3的な試みが示しているのは、今後、web3が行政にも行き渡った場合、ガバナンスの民主化が加速していく可能性です。
既存のガバナンスは有権者が自分たちの代弁者を選び、選出された代弁者たちが議会で話し合って政策を決める、という代議制民主主義(間接民主主義)です。
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