経済学的思考のすすめ 岩田規久男著
経済にはさまざまな要因が絡み合っていることはわかっていても、シンプルに早わかりで理解したい欲求にとかく駆られる。しかし、それも「間違い思考」であったら元も子もない。たとえば、たまたまの相関関係にすぎないものを、因果関係として説明しがちなのもその一つだろう。
本書では、経済学はもともと演繹法を用いて思考し、それがさまざまな分野、局面で活用できることを、実例を挙げて解説する。そして、枚挙例示や類推による帰納法での解釈がまかり通ることに警鐘を鳴らす。
たとえば国の借金を家計の借金に例えて説明する議論。その間違いを「仮定、命題、検証」を繰り返しながら、演繹法でかみ砕いて解説する。財政赤字に対する理解を「入り口」で間違えると、経済政策や制度変更において大いなる間違いに結び付くからだ。
本書は、カレントなテーマで「仮説の体系」である経済学における科学的思考を訓練するのに役立つ。
筑摩選書 1575円
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