「トップガン」トム・クルーズが抱く忘れたい過去 「トップガン マーヴェリック」で健在ぶり発揮

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トム・クルーズは、ケイティ・ホームズ(左)と付き合い始めた頃に出演したトーク番組で笑いものにされ、以後ほとんどインタビューを受けることがなくなった(写真:Axel・Koester/The New York Times)

パンデミックで公開延期を繰り返した『トップガン マーヴェリック』が、5月27日、ついに全世界で公開される。すでに前評判は上々だ。

Rottentomatoes.comによれば、97%の批評家が褒めている。筆者も公開前に見たが、オリジナルの精神をきっちり貫いた、懐かしさと新鮮さを上手にミックスした傑作だった。

続編の実現に時間がかかったのは、「みんなが売れっ子でそれぞれに忙しかったことと、正しいストーリーを探し続けたからだ」と、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは語っている。

それにしても、1作目からなんと36年だ。筆者もそのひとりだが、リアルタイムに映画館で『トップガン』を見た人なら、その間に起きたいろいろなことを思い出して、感慨に浸ってしまうのではないか。同時に、それだけ長い間トップスターに君臨してきたトム・クルーズに感心させられてしまう。

海外の観客を大事にするトム・クルーズ

「彼がこんなにも長いことスターでい続けられると、その頃、予想しましたか?」と筆者が聞くと、ブラッカイマーは「そういうことは誰にもわからない。あの時わかっていたのは、トムはすごく才能豊かだということ。その才能を生かすには、正しい選択をしていくことが重要。トムは頭が良いので、正しい作品、正しい人々、正しいキャラクターを選んできた。すばらしいキャリアを築くのに必要なことを、彼は全部やったんだ」と答えた。

クルーズがやった「頭の良い」ことのひとつに、海外の観客を大事にすることがある。近年、ハリウッドにとって、海外の興行成績は非常に重要になったが、かつて業界人は、目に見えやすいお膝元の国内成績の話しかしなかったものだ。だが、メディアに大きく取り上げられることはないにしても、海外でも稼げば全体の数字が上がり、そのスターの「稼ぐパワー」は強まる。

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