「トップガン」トム・クルーズが抱く忘れたい過去 「トップガン マーヴェリック」で健在ぶり発揮

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ウィル・スミスは、1996年にそのことに気づき、外国に行くと、その国の配給会社を通じてクルーズの宣伝活動スケジュールを入手しては、クルーズより2時間多く稼働しようとした。その結果、とてもクルーズにはかなわないと脱帽している。

「トム・クルーズは人間ではない。あるいは6人の分身がいるのではないか。彼はパリ、ロンドン、東京で4時間半かけてレッドカーペットを歩いたと聞いた。ベルリンでは、最後のひとりまで全員のファンにサインをしたという。トム・クルーズの世界規模のプロモーション活動は、個人としてはハリウッドで最高だ」と、スミスは回顧録『WILL』に書いている。

しかし、そんなクルーズも間違いをやらかしたことがある。アメリカではほぼ伝説となっている、「オプラのカウチ」の一件だ。

トーク番組で失態をおかす

それは、クルーズとケイティ・ホームズが付き合い始めた2005年。『宇宙戦争』の公開を控えていたクルーズは、アメリカで最も影響力を持つ司会者であるオプラ・ウィンフリーのトーク番組に出演した。その番組内で、クルーズは、それまで築き上げてきた完璧な映画スターのイメージを覆す、異常なまでにはしゃいだ行動を取ったのである。

「僕は恋をしているんだ!」と叫びながらカウチの上で飛び跳ねたり、かと思うと床にひざまずいてガッツポーズをしたりするクルーズに、ウィンフリーは「どうしちゃったの」と目を丸くするばかり。最後にクルーズは控え室にいたホームズを舞台に連れてきて、観客の前でキスをした。

この映像はたちまちアメリカのあらゆるメディアで取り上げられ、ジョークのネタになる。ちょうどネットのゴシップサイトが勢いづいてきたタイミングだったのも、クルーズには不幸だった。一部だけを切り取って見せられると、余計に奇妙に見えるのだ。

『バットマン ビギンズ』の公開を控えていたホームズとの交際はそもそもが宣伝目的なのではないかとの憶測もあり、人々はこの出来事をバッシングすることを楽しんだ。その後も続いた「トムキャット」(クルーズとホームズのカップルにメディアがつけたニックネーム)騒動をよく思わなかったクリストファー・ノーラン監督は、2作目『ダークナイト』でホームズをクビにしている。

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