会話がしらける?「話し好き」が陥る残念な悪習慣 寡黙は地味じゃない、聞き上手こそ話し上手

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①に関しては、慣れるしかありません。せっかちな人は「人が話し終えるまで、あいづち以外は口を開かない」と決め、「思ったことをそのまま口にしてしまう」という人は、人の発言に対して何か言いたくなったら、「それを口にして、相手が喜ぶかどうか」を考えるようにしましょう。それだけで、かなり改善されるはずです。

いきなり24時間気を張るのは難しいでしょうから、まずは「1日1時間だけ実践する」と決め、徐々に時間を増やしていくのもいいでしょう。

②に関しては、自己肯定感の有無や承認欲求にも関係し、本人に自覚がないことも多いため、簡単には解決できないのですが、「本当に賢い人は、余計なことを言わない」「本当に人を見る目がある人は、相手が話せば話すほど、その人の本質、その人が知られたくないこと、その人が隠そうとしていることを見抜いてしまう」ということを頭の中に入れておくことで、もしかしたら多少なりとも、「自分をアピールしたい」という気持ちが抑えられるかもしれません(私の場合は、これでだいぶ承認欲求の暴走を止められるようになった気がします)。

「聞き手に回ろう」と開き直るのも大事

最後に③に関してですが、焦りの根底には、たいてい、自分が「話し上手じゃないこと」に対するコンプレックスがあります。しかし、決して悩まないでください。

「自分は話し上手じゃない」という意識があると、「話をふられたらどうしよう」といった不安にかられ、会話に集中できなくなりがちです。そのような人は、「うまく話せるだろうか」といった焦りを捨て、「別にうまく話せなくてもいい」「私は聞き手にまわろう」「『人の話を聞く』ということを極めよう」と開き直ってみましょう。

「うまく話さなきゃ」というプレッシャーがなくなれば、おそらく、今までよりも落ち着いて人の話を聞くことができるようになるはずです。そして、落ち着いて人の話を聞いているうちに、「この人の話は簡潔でわかりやすいな」「この人の話には無駄が多いな」といったことが、感覚でわかってくるはずです。

聞き上手な人になることは、話し上手になる早道でもあるのです。

なお、このようなお話しをすると、「なに、当たり前のこと言ってるの?」「私は人の話を聞くのが好きだから大丈夫」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、厳しいことを言うようですが、何事においても「私は大丈夫」「私はできている」と思い込んでしまうのは危険です。実際、「私は人の話を聞くのが好きです」と言いながら、全然人の話を聞いていなかったり、人が話している途中で、自分が話し始めたり……という人は少なくありません。

ですから、「自分は聞き上手」「人の話を聞くのが好き」だと思っている人も、一応、周りの信頼できる人数人に、「ちゃんと人の話を聞くことができているかどうか」を確認してみるといいかもしれません。そこで、仮に耳に痛いこと、自分が望んでいたのとは違う答えが返ってきても、真摯に受け止めるようにしましょう。

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アルファポリスビジネス編集部

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