アメリカが「日韓関係改善」を強く迫れない背景 バイデン大統領のアジア訪問で進展はあるか

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筆者が最近参加した日米関係に関するある非公開の会合で、バイデン政権のある幹部は、「われわれは関与すべきではないとの考えに私は反対する。これはある程度喫緊の事柄である」と述べている。

この幹部は、オフレコを条件に、日韓関係は、クアッドを推進する努力や地域の「自由で開かれたインド太平洋」関係を推進する努力よりはるかに重要であるとまで主張した。加えて、それには第二次世界大戦時代の歴史問題と取り組むことが必要になるであろうことも示唆した。

「アメリカに可能なことのうちで最も重要なことを1つ挙げるとすれば、それは両国関係の本物の改善が実現するよう支援することである。これは高貴かつ重要な努力であり、われわれはこうした努力を払うことを避けて通るべきではない」この幹部は話す。

アメリカが圧力をかけない理由

だがこれまでのところ、今回の歴訪においてバイデン大統領が取り組む予定の1つに加えようとする試みが目に見える形でなされている形跡はまったくない。

それどころか、強調されているのはアメリカが有する計画のうちの別の分野であって、日本と韓国がもしかしたら協力するかもしれないことである。例えば、サプライチェーン(供給網)の強靭さを高めることやインド太平洋におけるデジタルサービス枠組の合意といったこととなっている。

アメリカが目に見える形で圧力をかけていないのは、日韓両国に内政問題があるがゆえに、両国の政府がこの問題を前進させる力が制限されていることが影響しているのかもしれない。

日本の公式見解は、最初の一歩を進める責任は韓国にあるというものだ。日本政府は、韓国が植民地時代及び戦時期に強制労働をさせられた韓国人に補償するため、日本企業の資産を接収する旨の裁判所の判決の執行をたとえ中止させないとしても、遅らせるよう要求している。

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