「NHKはネットで受信料取れない」と断言できる訳 イギリスやフランスの「見直し」どう影響するか

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ただBBCがネット単独の受信料を取る可能性もある。BBCは2008年からネットでの番組配信を始めている。日本ではNHKがやっと2020年に始めた同時配信を、BBCはiPlayerの名称で10年以上前からやっていた。その分、生活に溶け込んでおり、ネットだけでBBCを利用する人も多いだろう。そんな人にとってはネットだけで受信料を払うのは自然かもしれない。

BBCがネット受信料を取るからNHKも取れるかは微妙だ。なにしろ遅れすぎた。それにただでさえ視聴者の年齢層が高いNHKだ。NHKプラスの利用も契約者が条件なので、ネットのみの受信料を制度化しても今の利用者からよほど増えないと大した金額にはならない。またそもそも放送で受信料を取っていたのと同じ感覚でネットで受信料を取れるだろうか。受信料はネット登場以前のメディア環境でのテレビだから成立していた。

かつてNHKの存在は大きかった

テレビを買ったらNHKの受信料を払う。それを当然と受け止めてきたのは、地上波放送が多くても7チャンネルしかなく、NHKをまったく見ないで過ごすのはあり得なかったからだ。朝ドラ、大河などの人気ドラマもありつつ、子どもができたら「おかあさんといっしょ」は欠かせない。高校野球では地元の高校を応援したくなるし、大晦日になるとつい「紅白歌合戦」を見てしまう。そして災害や大事件が起こるとまずNHK。大事なことはNHKで見る、そんな感覚があった。7チャンネルの中で「公共放送」の存在感は大きかった。民放の数が少ない地方ではなおさらだったろう。

スマホではNHKプラスが始まり、ネットでもNHKのニュース記事に触れる機会はあるが、テレビの中のNHKの存在感に比べると圧倒的に小さいだろう。よく接するメディアやアプリを並べていくと、20や30では済まない中でNHKはどうしても小さな存在になってしまう。公共メディアなのでネットでの受信料を。そう言われても到底納得できない。だったら絶対にアクセスしませんよ。ネットではそれで済んでしまう。

NHK抜きのテレビ放送は困ることも出てきそうだが、NHKがなくてもスマホを使うのに困らない。

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