生前贈与で損も!?「老後資金」のNGな守り方 しっかり「資金計画」を立てることが重要だ

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相続トラブルを防ごうと慌てて贈与をしてしまうと取り返しがつかないことがあります(写真:Luce/PIXTA)
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近年、相続トラブルを防ごうと「贈与をしたい」と考える人が多い。

「贈与をしてしまうと取り返しがつかないことがあります。特に生前贈与は近々、特例の期限が来るものがあるので、慌てて実行すると、老後資金を減らすことになりかねません」

そう警鐘を鳴らすのは、相続実務士で相続支援会社「夢相続」代表の曽根惠子さん。

「生前贈与」のルールが変わる?

生きているうちに子どもや孫たちに財産を前渡しする「生前贈与」は、相続税対策の柱だが、2023年以降にルールが見直される可能性が高まっている。

当記事は、AERA dot.の提供記事です

21年度、22年度の「税制改正大綱」で示されている考え方が「相続税と贈与税の一体化」。真っ先にメスが入りそうなのが毎年、110万円までの贈与が非課税になる「暦年贈与」だ。ただ相続が発生したときには、被相続人が死亡前3年以内に行った贈与分は、相続財産に含めて相続税を計算する「持ち戻し加算」の仕組みになっている。

専門家の間では、暦年贈与そのものが使えなくなる、あるいは持ち戻し加算の期間は現在3年以内のところ、10年、15年に延長されると推測されている。

※週刊朝日2022年5月20日号より

「贈与のルールが変更になる前に『駆け込み贈与をする最後のチャンス』と思って、無理に贈与をしてしまう人も多いのですが、もし贈与者が10年、15年以内に亡くなったらその間の贈与した額は相続財産に含まれる可能性もあるので、相続対策をしたつもりが、結局は税負担が増えてしまうということにもなります」(曽根さん)

また、親から子どもに暦年贈与をしたとき、後から「お金が必要になったので贈与はなかったことにしたい」とし、子どもが同意したとしても、贈与は取り消すことはできない。

慌てて財産を渡そうと思う前に、自分たちの介護が必要になったときの「住み替え」などを視野に入れながら、老後資金の計画を立てよう。また相続対策の順番は間違えないほうがいいと曽根さんはいう。

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