定年前の会社員が確定拠出年金で絶対すべきこと 制度を知らずに手続きをすると大損することも

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コロナ禍はなんとか乗り切れそうだ。だが60歳が近づいてきたら定年後に備え「会社の確定拠出年金」をどうするか考えたほうがいい(写真:アン・デオール/PIXTA)

定年が近づくといろいろと考えなければならないことが増えてきます。59歳のAさんは、最近お疲れ気味。妻との会話はもっぱら老後のお金のことばかりで、これまでの疲れがどっとでてきたような気がします。Aさんは冗談交じりに「このままだと少ないお小遣いで死ぬまで働かされそうなのでなんとかなりませんか」と、ファイナンシャルプランナーである筆者の元に相談に来られました。

60歳の定年後もiDeCoへの再加入が可能に

最も気になるのは、会社の確定拠出年金をどうするかです。Aさんの会社では「企業型」確定拠出年金を退職金の一部として導入しており、これまでは会社が掛け金を拠出してくれていましたが、定年と同時に加入資格を失うので、その後のことを自分で考えなければなりません。

これまで企業型確定拠出年金は、定年時に資金を一括で引き出して終了する方が大半でした。しかし法律が改正され、2022年からは定年後も確定拠出年金に延長加入ができるようになりました。

実は「企業型」確定拠出年金は、法律上65歳まで加入可能なのですが、対象とする加入者の年齢は会社の規約によるので、Aさんには定年後に会社の企業型へ継続加入する選択肢はありません(この5月からは企業型確定拠出年金の加入可能年齢は70歳までに引き上げられましたが、実際の対象年齢は会社の規約により定められます)。

するとAさんの検討事項は個人型をどうするのかということになります。「個人型」確定拠出年金はiDeCoというニックネームで親しまれていますからご存じの方も多いでしょう。企業型と異なり、加入者自身が掛け金を拠出するのですが、この掛け金は全額所得控除になるので、その分税金が得になると、近年人気が高まっています。

今年になってiDeCoの加入可能年齢は60歳から65歳までに引き上げられました。例えばAさんが定年後も会社員として継続して働くのであれば、企業型を終了後、iDeCoに再加入することが可能です。

「定年後も会社員として働くのであれば」と申し上げましたが、加入可能年齢の引き上げはすべての人が該当するわけではありません。iDeCoは「国民年金の被保険者」であることが加入条件なので、60歳以降の身の振り方によってiDeCoが継続加入できるかどうかが分かれるのです。

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