老後資金を増やす「年金の受け取り方」のコツ

2022年からの年金改正をおトクに活用しよう

老後に備えて「自分年金」をどう増やしていくか。5月に成立した年金改革関連法も、うまく使えば大きな支えになる(写真:siro46/PIXTA)

今年の5月末、通常国会で「年金改革関連法」が成立しました。その最大の目玉は「厚生年金の適用拡大」であることは、以前このコラムでもお話ししたとおりですが、実は今回、公的年金だけではなく私的年金に関する制度も改正されており、その中には個人の老後資金に大きな影響を与える項目がいくつもあります。

とくに、確定拠出年金に関する改正は注目です。企業型でも個人型のiDeCoでも年金の受け取り方を工夫すれば、結構なメリットが得られます。具体的なケースを見ながら、ポイントをお話ししましょう。

iDeCoは「65歳まで加入・75歳から受給」が可能に

確定拠出年金の何がどう変わるのでしょうか。「加入年齢」と「受給開始年齢」については以下の3つが改正点で、いずれも2022年4月以降施行される予定です。

① 企業型確定拠出年金、個人型確定拠出年金(iDeCo)とも65歳まで加入可能になる
② 企業型、iDeCoとも受給開始年齢の選択肢が75歳まで延長される
③ 公的年金も受給開始年齢の選択肢が75歳まで延長される

「これだけしか変わらないの?」と思われるかもしれませんが、3つの点を組み合わせると公的年金、企業型確定拠出年金、そしてiDeCoの受け取り方についてバリエーションが広がりますし、その中から、よりお得な受け取り方を選べるようにもなります。

念のために、確定拠出年金も公的年金も「受給開始年齢の選択肢が75歳まで延長される」という改正項目は、「75歳になるまで受け取れない」ということではありません。両制度とも、現在は60歳から70歳までの間で自分の好きなときに受け取りを開始することができるのですが、その選択肢の幅を10年から15年に広げるということなのです。これによっても、年金の受け取り方が多様になります。

では、年金の受け取り方を決めるにあたって、何を考慮すべきでしょうか。以下の4つがポイントになります。

① 何歳まで働くか?
② 厚生年金に加入しているか?
③ 企業年金や退職金があるか?
④ iDeCoを利用しているか?

これらの違いによって年金受け取りの戦略はかなり変わってきます。具体的に3つのケースで考えてみましょう。

次ページ企業年金もある退職間際の会社員が取るべき戦略
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