首都高初「ハイウェイオアシス」には何がある? 「公園+パーキング」の融合による新施設

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このキッズパークの利用は有料で、料金は大人1人+子ども1人で1500円。それより人数が多いと、さらに追加料金がかかる仕組みだ。

施設内には滑り台やボールプールなど大型の遊具が並んでいて、外からガラス越しに見えるために、近づくだけでワクワクする空間となっている。

子どもたちの歓声が響くASOBooNの施設内(筆者撮影)

レストランは、麺類専門店と和洋食店の2つがあった。和洋食のほうは、川口市が鋳物の街として知られるだけあって、川口市特産の羽釜で炊いたお米を使っている。

今回は、埼玉県(と一部東京都の多摩地域)の名物として近年知名度が上がっている、いわゆる武蔵野うどんを使った「肉汁うどん」を注文。久々に、太くて歯ごたえ十分の小麦粉の風味を味わった。

筆者が注文した埼玉名物の「肉汁うどん」(筆者撮影)

また、売店では地元産中心の野菜、埼玉県内だけでなく東北道沿線の土産物、おにぎりや弁当、肉まん、コロッケといった軽食、そして首都高のオリジナルグッズなどがぎっしり並べられていて、レジにも長い行列ができていた。

地域の特産品をアピールする展示も

地域のPRの場として、鋳物製品や盆栽(川口市安行は、盆栽園が多いエリア)の展示もあり、特色を出す努力も垣間見られた。

アソブーンの前を抜けると、その奥に広大な芝生広場と池が目に飛び込んでくる。家族連れがくつろぐ、イイナパークの中心部分である。

広大な芝生広場と歴史自然資料館(筆者撮影)

一画にある歴史自然資料館は著名な建築家、伊東豊雄氏の設計で、中に入ると江戸時代、関東郡代の伊奈氏によって築かれた赤山城に関する展示などがあり、学びの場にもなっている。ちなみに伊奈氏は「イイナパーク」の名前の由来にもなっているようだ。

首都高には、三郷線の八潮PAや湾岸線の市川PAなど、大小合わせて20カ所ほどのPAがあるが、カスタムカー、チューニングカーなどが集まることで知られる神奈川5号大黒線の大黒PA以外は、規模が小さいこともあり、ほとんど注目されてこなかった。

HWOは広い敷地を必要とするため、どこでも整備できるわけではないが、首都高のPAの存在を認知させるためにも、エポックメイキングなニュースであったと感じる。

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佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、NPO産業観光学習館専務理事、京都光華女子大学キャリア形成学部教授、リベラルアーツ・ジャーナリスト。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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