日本経済、原材料高に急速な円安も痛撃する苦悩 このまま円安が続けば食品業界は再度値上げ必至

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新型コロナウイルス禍からの経済回復やロシアのウクライナ侵攻などを背景にした原材料やエネルギーの価格上昇に続き、3月以降の急激な円高も消費者に身近な商品の価格に影響を及ぼし始めている。

ドイツ産ビールの輸入販売を手がける「KOBATSU(コバツ)トレーディング」の小林努(51)代表は、これまで輸入コスト増加を価格に反映させずに耐えていたが、ここ1カ月間の円安で限界に達し値上げを決断した。

コロナ禍以降、コンテナ不足などの物流の混乱でビールを輸入する際の海上運賃は約40%上昇したが、過去2年間で売り上げが一時3分の1に減ったこともあり値上げは踏みとどまっていた。しかし、急激な円安進行が決め手となり、4月中旬、小林さんは約10%の値上げに踏み切った。

「KOBATSU(コバツ)トレーディング」の小林努代表Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg

円安続けば再度の値上げも視野に

資源価格や原材料価格の上昇を受け、世界でさまざまなモノやサービスの価格が上昇した。追い打ちをかけるように起きた円安の進行は、輸入商品を扱う小林さんには「ダブルパンチ」で、「新規の発注はかなり厳しい状況」と嘆いた。

コストアップに苦しむ小林さんの姿は、海外から原材料を輸入して製造した商品を販売する国内の食品メーカーと重なる。原材料や資源価格の上昇に加えて円安が各社に大きくのし掛かっており、これまでに値上げに踏み切った食品メーカーでも、いまの円安環境が継続した場合には、さらなる値上げを検討せざるを得ない状況となっている。

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