中国最大級のQ&Aアプリの「知乎(ジーフー)」は4月22日、香港証券取引所に株式を上場した。ところが、同社の株価は取引開始直後から急落。上場初日の終値は24.50香港ドル(約401円)と、売り出し価格の32.06香港ドル(約524円)を23.6%も下回った。
知乎は香港上場に先立ち、2021年3月にアメリカのニューヨーク証券取引所に上場している。だが、中国とアメリカの外交的対立や、アメリカ証券取引委員会(SEC)が中国系銘柄に対する監督を強化していることなどを背景に、昨年からアメリカ上場の中国銘柄が香港に重複上場するケースが増えている。知乎もその1社で、2022年に入ってからは初の「里帰り上場」だった。
同社の株価が香港上場初日に暴落したのは、その前夜、SECが「外国企業説明責任法」に抵触する企業の暫定リストに知乎を追加したのがきっかけだった。リストへの追加自体は意外ではなく、同社は香港上場にあたって開示した目論見書にその可能性を明記していた。
このため、リスクを嫌う投資家は知乎の香港上場にあまり関心を示さなかった。同社は上場前日に株式売り出しの申し込み状況を公表したが、一般投資家の応募総数は260万2600株にとどまり、発行予定数の260万株とほぼ同じだった。
3年連続のリスト指定で上場廃止に
要するに、もともと人気が低かった知乎株の売り出し前夜に、SECによるリスト追加が現実になり、株式が売り込まれた格好だ。香港株の市場外取引サービスのプラットフォーム上では、知乎の気配値は4月21日夜の時点で(売り出し価格に対する)下落率がすでに20%を超えていた。
SECが今回リストに追加した外国企業は17社に上る。そのうち知乎を含む16社が中国系企業であり、EV(電気自動車)メーカーの理想汽車、オンライン不動産仲介の貝殻找房、物流大手の百世集団なども含まれている。
外国企業説明責任法に基づくリストの運用は2022年3月から始まり、現時点では今回分を含めて29社が暫定リストに指定されている。そのうちの27社が中国系企業だ。
暫定リストに指定された企業は、15日間の異議申し立ての猶予を経て正式リストに組み入れられる。その後、3年連続でリストに指定された企業の株式はアメリカでの取引を禁じられ、上場廃止となる。
(財新 駐香港記者:尉奕陽)
※原文の配信は4月22日
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