電力危機に陥る日本「原発再稼働」の議論が必要だ このままでは今年冬に大規模な停電のリスク

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ウクライナ危機による燃料価格の高騰は電力価格の上昇を通じて家計と企業を直撃している。電力使用量が増える夏に向けて状況はますます厳しくなる。電気代の高騰は冷暖房が欠かせない高齢者や障害者を厳しい立場に追いやることになる。これ以上の電気代の値上がりは国民に耐え難い負担を強いることになる。

私のところには地元の企業からある陳情が激増している。電力の自由化で参入した新電力が価格の高騰でビジネスが成り立たなくなり撤退する動きが加速しているのだ。新電力から電気の供給を受けてきた企業は東電などの電力会社に依頼しても引き受けてもらえず、電力難民になりかねない状況が生じている。

電力には「最終保障供給サービス」という仕組みがあるため全国民に対して最終的な電気の供給は確保される仕組みになっているが、事業を継続する新電力から新たに提示される価格も、電力会社から提示される価格も高騰しており、事業者は過大な負担増を強いられている。円安の進行も相まって、わが国の産業基盤が根幹から揺らぐ事態が生じているのだ。

政府が決断できることがある

電力需給の逼迫と電気代の高騰により電力事情は深刻の度を増している。2012年当時、原子力安全・保安院の信頼は地に落ち、原子力規制委員会は発足していなかったため、再稼働は政治が決めるしかなかった。

あれから10年が経過し、原子力規制委員会が発足したことで状況は大きく変わり、あの時のような政治決断は法律上できない。原発の再稼働に政府が関与することは政治的なリスクを伴うが、現状においても政府が決断すればやれることはある。再び政治の出番が来ているのだ。

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