プロに聞いた「お父さん」の受験への関わり方 品川女子学院の理事長が語る「今の子育て」

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ある名門男子校の先生に聞いた話ですが、新入生が参加する最初の宿泊行事のとき、生徒が出たあとのお風呂場が脱いだパンツの山だったそうです。自分の下着を片付ける習慣がないんですね。そういう子の親御さんに聞くと、中学受験に必死で、「あなたは勉強だけしていればいい」と、家の手伝いもさせず、育ててしまったとおっしゃるそうです。

これから家事もアウトソースする時代に入るかもしれませんが、今後、共働きがデフォルトになることを考えると、性別に関係なく、子どもには家事全般を体験させて自立させておくことがマストでしょう。卒業生が「下宿の部屋にお母さんが掃除に来るような男性とは結婚しない」と言っていました。

働く背中を見せることが、きっとプラスになる日がくる

――最後に、働くお母さんに向けてメッセージをお願いします。

漆先生:働くお母さんが働くことに罪悪感を感じる必要はまったくありません。同じ条件の家はひとつもありませんから、そもそもよその家と比べる必要はないのです。働く背中を見せることが、将来仕事をもつであろうお嬢さんやそのパートナーとなる息子さんにとって、きっとプラスになる日がきます。

子どもも家族の一員ですから、家事など手伝ってもらいましょう。そして働く自分は、収入を得ることで家族の生活にゆとりを与えられる。そこがプラスなんだと捉え、子どもに謝るのではなく感謝して接するようにしましょう!

※参考/国立大学法人お茶の水女子大学「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究

インタビュー
漆 紫穂子
品川女子学院の理事長。東京都品川区生まれ。
都立日比谷高校、中央大学文学部卒業、早稲田大学国語国文学専攻科、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。1925年から続く中高一貫校・品川女子学院6代目校長を経て、2017年より現職。行政改革推進会議構成員(内閣官房)。
同校は1989年からの学校改革により7年間で入学希望者数が30倍に。「28プロジェクト」を教育の柱に社会と子どもをつなぐ学校づくりを実践している。著書に『女の子が幸せになる子育て』(だいわ文庫)、『働き女子が輝くために28歳までに身につけたいこと』(かんき出版)などがある。【品川女子学院 理事長日記】はこちら

(撮影/黒石あみ 構成/望月琴海)

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