中国国家統計局は4月18日、中国の2022年1~3月期の不動産開発投資に関する調査データを公表した。中国の不動産市場が全体的に冷え込むなか、不動産開発投資の伸び率や住宅販売面積などが過去最低水準に落ち込んでいる実態が、そこから浮かび上がった。
データによれば、中国国内の1~3月期の不動産開発投資額は2兆7765億元(約55兆円)と前年同期比0.7%の増加にとどまった。財新記者の調べでは、これは四半期ベースで過去最低から2番目に低い伸び率だ。
なお、不動産開発投資額の前年比伸び率が過去最低を記録したのは2020年1~3月期のこと。中国ではこの時期に新型コロナウイルスが大流行し、経済活動が広く停滞、不動産開発投資はマイナス成長に陥った。
一方、2022年1~3月期の投資の減速は、不動産デベロッパーによる開発用地の新規取得と物件の新規着工がそろって減少していることが原因だ。国家統計局のデータによれば、1~3月期にデベロッパーが取得した開発用地の面積は前年同期比41.8%減の1339万平方メートル、物件の新規着工面積は同17.5%減の2億9838万平方メートルに縮小した。
住宅販売面積が2割近く減少
「用地の新規取得と新規着工が減少したのは、主に民営不動産会社の信用リスクが顕在化(して資金繰りが悪化)したためだ。多数の開発プロジェクトが継続困難になっている」。広東省政府傘下の住宅政策シンクタンクの首席研究員を務める李宇嘉氏は、そう分析する。
さらに、(消費者の購買意欲の冷え込みで)住宅販売に急ブレーキがかかり、不動産会社の投資回収が厳しさを増していることも、開発用地の新規取得能力を低下させている。
国家統計局のデータによれば、1~3月期の(公共住宅などを除いた)不動産販売面積は3億1046万平方メートルと、前年同期比13.8%減少。そのうち住宅の販売面積の減少率は18.6%を記録した。
新型コロナの直撃を受けた2020年1~3月期を除外すれば、この減少幅は四半世紀前の1996年3月以降のワースト記録となっている。
(財新記者:牛牧江曲)
※原文の配信は4月18日
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