データを駆使した「デジタル農業」が成功する理由 モノ・コトをデジタル化できない組織は危ない
総務省はこうした社会の変化を「データ主導型の『超スマート社会』への移行」と定義しており、「フィジカル(現実)空間からデータを吸い上げ、サイバー(デジタル)空間において、AIなどで分析を行なった結果を再びフィジカル空間にフィードバックすることで、よりよい社会を実現しましょう」と説いています。
DXを推進するうえで注目すべきトレンド
これは言うなれば、「社会全体でDXを推進する」と考えることが可能で、ここには企業がDXを推進するうえで注目すべきトレンドとなるキーフレーズが3つ含まれています。
① 暗黙知の形式知化
職人の勘と経験(暗黙知)により高い品質が保たれている「ものづくり」の現場があったとします。この職人の技をデータ化=形式知化してロボットで生産できるようにすることで、人手不足や熟練工の高齢化などを原因として優れた技術や知識が次の世代に継承されない問題を解決します。
② 過去解析から将来予測への移行
AIが高度化したいま、過去データを用いて高い精度で未来を予想できる業務領域が多くなりました。ビジネスや市場の将来を予測することはもちろん、人間の知見や経験則を「裏付け」たり「課題や機会発見のきっかけ」とすることで、より質の高い経営戦略を立てることが可能です。
③ 部分最適から全体最適への転換
各部門が業務に対してIT化を進め、カイゼンを進めるといった考え方を「部分最適」としたとき、それ自体が悪いことではないものの、「組織全体を俯瞰したら、実はスループットを低下させていた」といったことが起こりえます。これは「全体を変えようとするDX」にとって望ましくありません。
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