ソニーが圧倒的な高収益体質に大復活できた本質

エレキ地位低下の一方、グループ6事業を「掛け算」

かつて業績悪化に苦しんだ名門企業が復活を遂げている(デザイン:熊谷直美)

ソニーの業績が絶好調だ。2021年3月期は、同社が展開する6つの事業のうち米中貿易摩擦の影響を受けた半導体事業を除く5事業が増益。保有株式の評価益258億円を上乗せし、純利益が初めて1兆円の大台を突破した。

『週刊東洋経済』7月12日発売号は、「ソニー 掛け算の経営」を特集。ソニーの強みとリスクを分析し、復活したソニーの今後について占っている。業績の好調を受けて、社員への還元も大盤振る舞いだ。2021年度の年間ボーナスは組合側の要求を上回る7.0カ月という、かつてない高水準に。4566億円もの最終赤字に沈んだ2012年3月期のどん底から10年。苦労がようやく実を結んだ。

早期退職の動きも

一方、「いいことばかりではない」と、浮かない顔をするのはソニーグループの中でエレクトロニクス事業に在籍する中堅社員だ。事業内での早期退職が目立ってきているからだ。

『週刊東洋経済』7月12日発売号(7月17日号)の特集は「ソニー 掛け算の経営」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

商品設計を担当するソニーエンジニアリングでは2020年秋、カメラなどを扱うソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ(ソニー)と営業を担うソニーマーケティングでは同年12月以降、いずれも45歳以上を対象とする早期退職募集を打ち出した。足元でもエレキ傘下の部署では今年12月末までの早期退職募集が行われている模様だ。

人員削減を進める理由についてソニー側は「エレキ事業では今後も安定した利益を創出できるよう、販売会社や製造事業所の一体運営を強化し、効率化に務めている」と説明する。

最高益を更新する好調ぶりにもかかわらず人員削減を進めるのは、ソニーという「電機企業」が変身しているからだ。

今年4月、ソニーは63年ぶりの社名変更に踏み切った。新しい社名はソニーグループ。伝統ある「ソニー」の社名は、祖業であるエレキ部門の子会社に引き継がれた。

これまで本社が行っていたエレキ事業は、ゲーム事業や音楽事業などと同様、グループ子会社の1つとなった。グループ本社は、全社を統括する機能に特化する。

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