日本の「チューハイ」世界的に見てもレベル高い訳 ハードセルツァー流行から見えるポテンシャル

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世界的な「ハードセルツァー」人気から、日本のチューハイのポテンシャルの高さについて考えてみた(撮影:今井 康一)

コロナ禍でお酒の消費は外飲みから家飲みへシフトしてきました。缶で安価に売られていて手軽だということもあって特に伸びたのはチューハイをはじめとするRTD(Ready To Drinkの略、ふたを開けてすぐ飲める飲料)です。これは世界的な傾向で、アメリカではRTDの中でも「ハードセルツァー」というタイプのお酒が人気です。

その波は日本にもやって来ていて、アサヒビールの「フル-ツァー」やキリンの「スミノフ セルツァー」など続々と発売されています。世界の流れを考えるとこれはけっして不思議ではないのですが、それが進めば進むほど、逆説的に筆者は日本のチューハイが持つポテンシャルの高さを強く感じます。

チューハイは世界に先んじて独自に進化していて、ついにその力を世界に発信すべき時が来たと言えます。そこで本稿では、近年のハードセルツァーの流れをひもとき、チューハイのポテンシャルの高さについて考えてみたいと思います。

ハードセルツァーとは何か

ケンブリッジ英英辞典で調べるとSeltzer(セルツァー)とは「mineral water with bubbles」とあり、日本語で言えば「シュワシュワした水」という意味になります。英語圏ではそれのアルコール入りが「Hard Seltzer(ハードセルツァー)」、もしくは「Spiked Seltzer(スパイクドセルツァー)」と呼ばれます。

その特徴としてよく挙げられるのは「低糖質」「低カロリー」「低アルコール」。世界的なトレンドである健康志向にフィットし、現在若者を中心に高い人気を誇ります。また、風味付けに本物のフルーツを使用していることも多く、その多彩な味わいも魅力の1つです。

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