ジェフ・ベゾスが無謀に思えたプライム進めた訳 1ドル札を90セントで売ると批判されても気にせず

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損益分岐点を割り込んでしまうサービスになる可能性もあったアマゾンプライム誕生の秘話をジェフ・ベゾス氏本人が明かします(写真:Andrew Harrer/Bloomberg)
投資会社カーライル・グループ創業者のデイヴィッド・ルーベンシュタインが経営者、政治家、スポーツ選手、アーティストなど業界のトップの人材にインタビューをする番組『The David Rubenstein Show』。
ブルームバーグTVで配信中で、ジェフ・ベゾス、ジャック・ニクラウス、ビル・クリントンなどあらゆる分野の著名人が自身のキャリアと人生について語っている。これを書籍化した『世界を変えた31人の人生の講義』が日本上陸。その中から、アマゾン創業者、ジェフ・ベゾスの対談の一部を抜粋、再構成してお届けする。

本の次に何を届けてほしいか聞いて届いたリスト

デイヴィッド・ルーベンシュタイン(以下、ルーベンシュタイン):もし扱っているのが本だけだったら、とても今のような世界一のお金持ちにはなっていなかったでしょうね、おそらく。いつごろから、書籍以外の商品も扱おうと思い始めたのでしょう?

ジェフ・ベゾス(以下、ベゾス):本のあとは音楽の販売、それからビデオでした。そのころには私も経験を積んでいたので、無作為に選んだ1000人の顧客にメールを送り、尋ねました。『今、販売している商品以外に、何を取り扱ってほしいですか?』と。

彼らの返事に書かれた品物の数は予想をはるかに超え、しかもかなり多岐にわたっていました。要するに彼らは、そのときに買おうとしていた品物のリストを送り返してきたのです。今でも覚えていますが、なかにはこんな回答までありました。『どうか車のフロントガラスのワイパーブレードを販売してください。なくて困っています』

これなら何でも取り扱えそうでした。そこで私たちは電化製品、玩具から始め、徐々に取り扱う品物を増やしていきました。でもあくまで本来のビジネスプランは書籍だったのです。

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