横尾氏は「みんな、頭と言葉だけに頼りすぎている」と警鐘を鳴らす。
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横尾忠則(よこお・ただのり)/美術家。1936年生まれ。ニューヨーク近代美術館、アムステルダム美術館、カルティエ現代美術財団など国内外で個展を開催。朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞、泉鏡花文学賞、講談社エッセイ賞など受賞多数。(撮影:尾形文繁)
グラフィックデザイナーとして活動後、画家として自然風景や肖像画など、多様な作品を手がけてきたのが横尾忠則氏である。85歳の今も精力的に活動を続ける。コロナ禍、ウクライナ戦争と続く危機の時代の生き方、芸術の意義などについて聞いた。
──コロナ禍ではどう過ごしていましたか。
創作時間が増えた。作品点数が40代、50代のころよりも増えて、人生でいちばん多いくらい。人と会うことが減って、アトリエの中で、絵を描くばかり。皮肉にもこれが創作の原動力になってしまった。
そもそも動物から発生したのが、コロナでしょ。コロナの持つ動物性や野性が僕の中の野性と結び付いたのかな。僕はコロナという異常事態をクリエーティブな方向へ転換できた。昨年は大規模な展覧会を行ったし、『原郷の森』という小説もこの2年で書いた。
宇宙的な視点から、現世を見たときのばかばかしさ
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