日本の学術世界で軽んじられている「地域研究」 ロシア制裁の影響を読み解き、展望を描けるのか

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ロシアNIS経済研究所の服部倫卓所長が現代ロシアを理解するための本を紹介。

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2月24日にロシアのプーチン政権がウクライナへの軍事侵攻を開始し、国際秩序が大きく揺らいだ。

ウクライナは世界一のひまわり油輸出国で、トウモロコシや小麦の輸出量も世界屈指。日本は直接的にはそれほど輸入していないが、同国からの供給が途絶すれば、世界的な食料需給の逼迫に拍車がかかり影響がある。ウクライナは半導体製造に欠かせない希ガス、とくにネオンの生産国としても知られ、その面での影響も不安視されている。

展望を描けない日本

日本経済にとってもとくに影響が大きいのは、欧米日が打ち出した対ロシア経済制裁である。ロシアは石油・天然ガスだけでなく、石炭、鉄鉱石・鉄鋼、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、白金、穀物、木材、水産物などの世界的供給国。その国を経済的に封じ込めようとしているわけだから、影響は多方面に及ぶ。

こうした事態を受けて、改めて痛感するのは、地域研究の重要性である。

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