地政学を考える基礎となる「軍事学」の古典的文献 日本はかつて地政学の研究不足で窮地に陥った

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地政学からみた日本の今後を考えるうえで、社会学者の橋爪大三郎氏が3冊を紹介する

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軍事学の古典『戦争論』は地政学を考えるうえでの基礎だ。「陸戦では、兵力(人数)が勝敗を決める」「要塞を攻める場合、攻撃側は数倍の兵力を必要とする」などが重要な原則だ。

古典的な地政学でいえば、ドイツ、ロシア、フランスは強力な陸軍が必要である。英国、米国は海軍があればよい。海に囲まれた日本も海軍が大事だが、ロシアを念頭に大陸に拠点を置いたため、陸軍もと欲張った。日露戦争に勝ったおかげで、軍部が暴走を始めたのだ。戦略のないまま中国に侵攻し、ソ連と戦うはずが、展望のない対米英戦争へと追い詰められていった。地政学の研究が足りないとこうなる。

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