広い県内に縦横無尽の路線、新潟ご当地鉄道事情 2つの新幹線・三セクが結ぶ充実のネットワーク

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新潟県内のいくつかの主要な町を通り抜けてきた信越本線は終点の新潟駅に着く。もちろん新潟駅からも旅は続く。選択肢は2つあって、北に向かう列車が走る白新線と南に向かう越後線だ。

新潟から酒田・秋田へと日本海沿いを駆け抜ける特急「いなほ」(撮影:鼠入昌史)

白新線は新潟駅から新発田駅まで10駅27.3kmの短い路線。だが、羽越本線を走る特急「いなほ」などはすべて白新線を経由しており、全区間で電化されている大動脈だ。むしろ羽越本線の新津―新発田間は気動車が走ってローカル色が強く、白新線が輸送の主役になっている。

河口近くで信濃川を渡る越後線(撮影:鼠入昌史)

新発田駅から羽越本線に乗り継ぐと、坂町駅からは米坂線が分かれる。東に向かって山形県との県境を跨いで米沢まで。かつては急行「あさひ」がこの路線経由で仙台と新潟を結んでいたこともあった。

一方、越後線は日本海沿いを走って新潟と柏崎を結ぶ路線だ(正しくは柏崎駅が起点)。途中、内野駅くらいまでは政令指定都市・新潟の通勤通学路線としての色合いが濃厚。事実、お客の数も列車の数も圧倒的に多い。内野駅から少しずつローカル色が増していき、弥彦線と交わる吉田駅から先はいよいよザ・ローカル線。昼間には3時間以上も列車の間隔が開く。

かつての長大路線の今

柏崎は原子力発電所でもおなじみの町だから(角栄センセイも柏崎の出身)、越後線がもっと充実していたら便利なのではないかと旅をしているとよく思う。が、これは旅人の勝手な思惑で、新潟と柏崎は信越本線でも結ばれているのでほとんどの人はそちらを使うのだろう。あ、いや、クルマですかね……。

柏崎から先の日本海沿いの旅は、かくのごとく信越本線が引き継ぐ。青海川駅など眼前に日本海が迫る絶景の駅をいくつか経て直江津へ。いま、直江津駅は事実上信越本線の起点駅になっている。

もともと信越本線は高崎から碓氷峠を越えて軽井沢・長野を経て新潟県内に入って直江津・柏崎・長岡ときて新潟までを連絡する長大路線だった。しかし、北陸新幹線開業に伴って並行在来線として続々と第三セクターに転換されてバラバラになってしまった。新潟県内ではえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインが旧信越本線の妙高高原―直江津間を引き継いでいる。

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