河野太郎「日本を日米同盟だけで守り切れるのか」 玉木雄一郎「トリガー見送りなら3党協議離脱」

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松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):河野氏は自著で「日米同盟だけに寄りかかっていて大丈夫なのか」「中国の軍事活動に対抗するための枠組みをアジアで作り上げるということを検討する必要がある」と言及。例えば、NATOのような同盟結成をアジアでも模索すべきだという考えなのか。

共通の価値観を持つ枠組みを作る

河野氏:NATOのようなものになるかはわからないが、何らかのまとまりを作る必要はある。極端なことを言えば、NATOをインド太平洋に広げて、そこに各国が加盟するという議論もできると思う。

橋下氏:米英豪のAUKUSに日本が積極的に入っていくことも1つの手ではないか。

河野氏:AUKUSもそうだが、ファイブ・アイズのようなまとまりもある。そういうところに日本は積極的に入って行くことを考えていかなければいけない。クアッドは今緩やかなまとまりだが、クアッドがはたして何を目指すのかという議論をインドとの間で積極的にやっていく必要がある。

橋下氏:そうなると集団的自衛権の問題に行きつく。NATOは集団的自衛権よりもう一段レベルの高い集団防衛の枠組みだ。共通の価値観を持つ枠組みを作る意味では、安倍政権で一歩前進させた(限定的な)集団的自衛権の行使容認をもう一歩あげていくことが必要ではないか。

(画像:FNNプライムオンライン)

河野氏:そうなってきた。中国の軍事力はアメリカの前に対抗できない時代があったが、今やそういう時代では完全になくなってきている。そして、ロシアはウクライナを侵略している。一方的な力による現状変更をいとわない国が出てきており、みなで平和と安定を守っていくという中に日本も入って行く。それは非常に重要だ。第2次世界大戦後の国際秩序が変わりつつある中で、日本もしっかりと平和と安定を守ることを考えていく必要がある。

橋下氏:ロシア・ウクライナ戦争を見て、専守防衛、防衛だけのところは、ああなってしまう。いざというときには反撃ができて、敵国に対してダメージを与えられる力を持っておかないと、今の近代戦争、近代兵器の下で、専守防衛というのは空想論としか思えない。

戦後ずっと憲法9条は内閣法制局の解釈論を前提にしていた。最高裁の砂川判決では(自衛権について)国際情勢の実情に即して適当な手段を講じることができる、とされた。判断するのは内閣法制局ではなく政治家だ。憲法9条の今までの解釈論を自民党は乗り越えていくか。

河野氏:それはやらなければいけないことだというのは、このウクライナ情勢を見てもはっきりした。

松山キャスター:「専守防衛」の概念は残して、相手領域内への抑止力としての攻撃能力を模索していくことになるのか。

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