口の中で野菜がとける「春野菜スープ」を作るコツ 素材を小さく切れば口にさまざまな味が広がる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

春野菜、生ハム、バター、水をすべて鍋に入れ、強火で煮る。ふたをした状態で煮ることで、油脂分が乳化し、味にコクが出て、まろやかになる。野菜の甘味、生ハムのうま味、そしてバターのコクと香りが混ざりあったところにこの料理のおいしさがある。

野菜を小さく切るのもポイント。

そうすると食べるとき、ひとさじで数種類の野菜とスープがすくえるので、口の中に複雑な風味が生まれる。野菜は歯ごたえが残っていてもいいし、やわらかくてもいい。もっと味が欲しいという方は顆粒のコンソメを足してもいいが、水で仕上げればすっきりした味になる。

トマトを加えると「夏が待ち遠しい」味に

さらになにかを加えるならトマトだろうか。トマトは夏の野菜と思われているが、一番おいしいのは春。トマトは煮崩れるとスープが濁ってしまうので、例えば半割にしたミニトマトを仕上げに加える形がいいだろう。

トマトを加えるとスープに少しの酸味が加わり、やがてやってくる夏が待ち遠しい味になる。

日本人の口に合ううま味たっぷり春野菜のスープ(同書より)
日本人の口に合ううま味たっぷり春野菜のスープ

■材料(2人分)
 ニンジン 小1本
 小カブ 2個
 カリフラワー 1/4個
 ラディッシュ 2個
 ヤングコーン 2本
 スナップえんどう 4本
 生ハム 2〜4枚(40g)
 バター 50g
 水 400mℓ
 塩 小さじ1/4

■つくり方
 1 ニンジンは皮をむき、縦4等分にした後、斜めに包丁を入れ、一口大に切る。小カブは皮をむき、6等分にする。カリフラワーは小房に切っておく。ラディッシュは葉つきのまま半割、ヤングコーンは一口大に切る。スナップえんどうは筋を取る。
 2 ふたができる鍋に1の野菜、生ハム、バター、水、塩を入れてふたをして強火にかける。ふたの隙間から蒸気が出てきたら弱火に落とし、そのまま5分煮る。
 3 火を止めてふたを開け、塩味を確認する。薄ければ分量外の塩を足し、器に盛り付ける。
樋口 直哉 作家・料理家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひぐち・なおや / Naoya Higuchi

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事