中国の国有石油最大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ)は3月31日、2021年の通期決算を発表した。それによれば、売上高は前年比35.2%増の2兆6000億元(約50兆円)と過去最高を更新。純利益は前年の4.9倍の921億7000万元(約1兆7827億円)と、過去7年間で最高を記録した。
好業績の背景は、言うまでもなく国際的な石油・天然ガス相場の高騰だ。2021年は(新型コロナウイルスの世界的流行の影響で低迷していた)エネルギー需要の回復や世界的なカネ余りなどを受け、石油・天然ガス相場がほぼ一貫して上がり続けた。
その結果、ペトロチャイナの2021年の原油取引価格は1バレルあたり平均65.58ドル(約8078円)と、前年比62.6%上昇。天然ガスの販売価格は1立方メートル当たり平均1.729元(約33円)と、同47.8%上昇した。
同社は事業セグメントを「石油・天然ガスの探鉱および生産」、「石油の精製および化学工業製品の生産」、「石油製品の販売」、「天然ガスの販売およびパイプライン運営」の4つに分け、それぞれの業績を開示している。2021年はこれら4部門がすべて営業黒字を計上した。
低炭素経営への転換を急ぐ
全社利益への貢献度が最も大きかったのは石油・天然ガスの探鉱および生産部門で、2021年の営業利益は前年の2.96倍の684億5000万元(約1兆3239億円)に達した。なお、石油・天然ガスの生産量は(石油換算で)16億2480万バレルと、前年とほぼ同水準だった。
石油の精製および化学工業製品の生産部門は2021年に497億4000万元(約9620億円)の営業利益を上げ、前年の赤字から大幅な黒字に転換した。同部門が精製した原油は前年比4%増の12億2500万バレル、石油製品の生産量は同1.6%増の1億870万トンだった。
このように足元の業績は絶好調だが、ペトロチャイナは(中国の国策に基づいて)環境にやさしく二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない「低炭素経営」への転換を迫られている。
「わが社は(低炭素化を進めるため)再生可能エネルギー、新素材、新規事業に2021年は30億元(約580億円)を投資した。2022年は投資額を100億元(約1934億円)に積み増す」。ペトロチャイナの財務総監(財務担当責任者)を務める柴守平氏は、業績説明会でそう述べた。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は3月31日
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