手放せぬ既得権益「文通費改正」与野党合意の欺瞞 国会議員の「第2の給与」、使途公開など先送り

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ただ、前回衆院選は、投開票日が10月31日だったことから、11月の支給日に現金100万円を受け取った新人議員の間から「受け取れない」との声が相次いだ。初当選議員の多くが、自らの当選が最終確定したのは翌11月1日未明との認識。それだけに、いきなり「10月分」として現金100万円が届けば、疑問を持つのは当然でもある。

真っ先に問題を指摘したのは、比例東京ブロックで復活当選した日本維新の会の新人、小野泰輔・前熊本県副知事。小野氏によれば初登院した11月10日に、議員会館の自室に10月31日分(1日分)と11月分の歳費全額と、文通費100万円の札束が届いていた。新人の場合口座の登録が間に合わないため、現金での支給だったという。

小野氏は「1日しか在籍していない新入社員が、1カ月分の経費を全額支給されるはずがない」と当惑。衆院事務局に問い合わせても、「法律上そうなっている」と説明されただけだったので、「これは受け取れない」と投稿したという。

同様の受け止めをした新人議員も多く、与野党を問わず「返上論」が一気に広がった。しかも、この文通費は公費(税金)で「法律で使途が決められておらず、公開の義務もない」ことから議員個人の生活費に使うことも可能なので「税金の無駄遣い」との批判も爆発した。

名称を「調査研究広報滞在費」に変更

与野党協議会は、自民、公明、立憲民主、維新、国民民主、共産の6党で構成。7日に合意した歳費法や国会法の改正案では、文通費支給を日割りに切り替えるとともに、目的を「国政に関する調査研究や広報、国民との交流、滞在費等の議員活動を行うため」と定義し、名称もそれに合わせて「調査研究広報滞在費」に変更した。

その一方で、同協議会は、文通費の使途の報告・公開の義務付けについては、現時点では結論を出さず、未使用分を国庫に返納する仕組みについても、今後の検討課題とした。協議会事務局長の立憲民主・寺田学国対委員長代理は「使途公開の是非も今国会会期中に結論を得る」と協議会で検討を進める考えを示した。

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