シビック追加のハイブリッドが官能的と言える訳 新型2Lエンジン搭載、「e:HEV」試乗でわかった実力

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専用のパワーメーター(左)(写真:ホンダ)

ANCはノイズを打ち消す技術。運転席上部と、後席ヘッドレストレイント部分にマイクを配置し車内騒音を測定、その逆位相の音を前後のオーディオ用スピーカーから出力してノイズそのものを打ち消す。

ホンダは2000年6月に松下電器産業(現パナソニック)とANCを共同開発し3代目「アコード・ワゴン」に搭載していた。筆者は当時、搭載車でその効果を確認したが、確かにラゲッジルームから入り込むロードノイズが大幅に減少していた。

ASCは聴かせる音を演出する技術。原音であるエンジン音の基本次数をベースにしてハーフ次数を挿入し、音そのものを増幅させる。いわゆる疑似音を加えるのだが、エンジン音がベースなのでドライバーや同乗者からは、あたかもエンジン音自体がふくよかになったかのように感じられる。だから気分が高揚する。

トルクを活かしつつ官能的にも仕上げた

ANCで雑味をとり、ASCで味付けする。その際も、ベースは搭載エンジン音だからスッと馴染む。ドライブモードスイッチで「スポーツ」を選択するとASCが機能する。筆者の体感では「爽快指数30%増し」といった印象だ。

車両重量は1.5Lターボから約100kg増し。前軸と後軸にほぼ等しく50kg程度が付加される。重心高は10㎜下げられ一層の低重心化が図られた。バッテリーやインバーターなど追加された重量部材に対応するため車体後部を中心にボディ剛性を強化した。同時に、ダンパーの減衰力もe:HEV専用に引き締められている。

1.5Lターボの軽快な走行性能に対して、e:HEVでは電動駆動ならではのトルクを活かした走りが堪能できる。加えて、ホンダのお家芸でもあるエンジンを新規に開発することで、環境性能と官能性能を同時に高めた。

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e:HEVでは意匠の差別化も図られた。ドアミラー及びフロントのグリル部分、さらにA~Dピラーをグロスブラック色にして、車体前後のホンダ「Hマーク」をブルー色に変更。さらにリヤバンパー下部のカーニッシュ部分をe:HEV専用形状にしている。

1.5Lターボはどこか優等生的なところがあったが、e:HEVの新エンジンは回せば回すほど気分が高揚する往年のホンダ・サウンドが仕込まれた。初代「インサイト」や「CR-Z」以来、久しぶりに出会ったホンダの楽しいハイブリッドモデルだ。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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