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いまだに根強い建設業「一升瓶営業」体質の呪縛 ゼネコン「業界OS」のアップデートが急務に

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  • 南津 和広 アーサー・ディ・リトル・ジャパン プリンシパル
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「正しいこと」を追求してきた中で、行動様式が事業や組織体制はもとより、表には現れない会社の不文律や社員1人ひとりの美意識に至るまできれいに整合してしまったことが、旧来の「業界OS」が根強く残っている真因であり、業界の苦しみの根源だと考えています。

「業界OS」のアップデートが急務

この「業界OS」は、時代に合わなくなり、アップデートが求められています。個人の行動様式から事業運営(ひいては業界のメカニズム)に至るまで根を張っているだけに、ここからの脱却を考える場合、個別の問題への対応では進展しません。事業運営の仕組みの各要素をセットで動かすことで、建設・ゼネコン各社は、自らの競争優位に基づいた健全な企業経営が実現できるのではないでしょうか。

下流でのすり合わせ→フロントローディング

業務プロセスの観点では、設計施工一括の中で施工段階でのすり合わせへの偏重をフロントローディング(早い段階で検討を行う、段取り八分で業務を進めること)によって回避することで施工現場での負担を軽減する。

機能抱え込み→重要業務へのリソース集中

組織機能の観点では、経験と責任がある所長等の社員がデスクワークに忙殺されるといった状況を改善し、こうした人材がより高度な問題解決に時間と労力を使えるようにする。

作り込んだ完成物の提供→標準化

ビジネスモデルの観点では、単品生産から脱却して「標準化」を取り入れることで、プロセスの効率化、調達コストの抑制、結果としての競争優位性の拡張にもつなげる。

発注者との関係強化→自社ならではの戦略

戦略の観点では、上記のレバーを引くことで「発注者との関係強化」以外の自由度が生まれる。その中で、保有技術の棚卸し等で競争優位の再確認・発見を行う。

実際の業務・問題意識に近いところから着手していくことで、最終的には凝り固まった「業界OS」から脱却することが建設・ゼネコン業界には求められています。ここに述べたことが、各社の競争優位性に根差した付加価値の追求・事業展開につなげる一助になれば幸いです。

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