「ルールを決められると破りたい」ロシア人の本音 あまりに多様なロシア人を束ねるのは難しい
稼げる金額だけでいえば欧米の方が割がいいはずですが、ロシア語が通じるし、旧ソ連諸国なら労働ビザも取りやすいということのようです。
GDPのかなりの割合がロシアからの送金で成り立っている、という国もあり、こうしてみると旧ソ連諸国の中におけるロシアの存在感はやはり侮り難いものがあります。
ちなみにプーチン大統領自身はロシア人(ルースキー)ですが、こういう国を「調停者」として治めていかないといけないわけですから、ロシア国民(ロシヤーニン)全体のリーダーとして振る舞わなければなりません。
「ウケ」を狙うプーチン
ロシア正教会とは親しくするけれども、イスラム教の大モスクも建設する、ユダヤ教のシナゴーグにだって訪れてみせる、という具合です。ただし、最近では微妙な変化も見られるようになりました。2020年7月の憲法改正で、「ロシアは千年の信仰に基づく国家である」という文言が挿入されたことがそれです。
日本人から見るとなんだか訳がわかりませんが、ロシア人が見れば、キエフ・ルーシ(前述のリューリクの摂政であったオレグが現在のキエフに開いた国家)が10世紀に正教を国教化したことだとピンと来るでしょう。
つまり、ロシアは正教国家であると言外に暗示しているわけです。穿った見方をすると、2024年の大統領選挙で超長期政権を狙うプーチンが、最大多数を占めるロシア人(ルースキー)のウケを狙っているのではないか、という見方も成り立ち得ます。
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