利用者巻き込まれかねない「ツイッター」の大変化 イーロン・マスクが筆頭株主になって起こる事

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それでも、マスクはツイッターに混乱をもたらす可能性がある。マスクは長期にわたりツイッターを自らの武器として利用、テスラ株を空売りする投資家をおちょくったり、自らに批判的な人々をあざけったりしてきた。パンデミックについても誤った情報を拡散している。

2018年には、ツイッター上でテスラの株式非公開化計画をつぶやき、そのための資金も確保したという不正確な情報を流し、SECに4000万ドルの罰金を支払うことになった。

「政治的に偏ったツイッターが右派の声を検閲している」といった非難を繰り広げてきた一部の共和党議員は5日、マスクのツイッター取締役選任を祝賀した。

国連で表現の自由に関する問題に取り組んだ経験を持つカリフォルニア大学アーバイン校の法学教授デービッド・ケイは、言論の自由に関するマスクの理想はツイッターの運営ルールと衝突する恐れがあると警鐘を鳴らした。ツイッターの運営ルールは全世界の言論を対象としている。

「彼の個性やビジネス上の個人的な好みには風変わりな点もあり、それらがルールの策定や適用に不適切な影響を及ぼすリスクがある。ツイッターは、彼の言葉を借りれば、『公共の広場』なのだが」とケイは話した。

分散型ソーシャルネットワークへの移行に向けたツイッターの動きは、プラットフォーム企業として許される投稿と許されない投稿の裁定を担わなければならなくなったことに対する同社幹部の不満に根差している。確かに利用者はフォローする人を選ぶことなどによって、自身のフィードに表示される投稿を一定程度コントロールすることはできる。

しかし、フィードのトップに表示される投稿を選択しているのはツイッターのアルゴリズムだ。また企業としてのツイッターは、ポリシー違反の有無に基づいてアカウントを凍結したり停止したりすることもできる。

創業者ドーシーが語る責任と後悔

昨年11月にツイッターのCEOを退いたドーシーは、自らのフィードに表示される投稿を自ら調節できるように、ユーザーにもっと大きな権限が与えられるべきだと語っていた。ドーシーは最近のツイートで、企業によるインターネットの集中管理によってウェブが損なわれたと嘆いた。

「自分にも責任の一端があることは自覚しているし、後悔している」

もっとも、分散型ツイッターがうまくいくのかどうかは未知数だ。プラットフォームを全面刷新する複雑なプロセスになるため、形にするのに何年もかかる可能性もある。

(執筆:Kate Conger記者、Mike Isaac記者、Lauren Hirsch記者)
(C)2022 The New York Times News Serivces

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