利用者巻き込まれかねない「ツイッター」の大変化 イーロン・マスクが筆頭株主になって起こる事

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世界一の大富豪イーロン・マスクがツイッター社の取締役会に加わることに(写真:アルドラゴ/Bloomberg)

世界一の大富豪イーロン・マスクがツイッターのCEOパラグ・アグラワルに連絡を取り、友好的な警告を発したのは数週間前。同社の株を購入していると明かし、ツイッターを改善する方法について話し合いたいと打ち明ける内容だった。

ツイッター再構築に関するマスクのアイデアは、アグラワルやツイッターの共同創業者ジャック・ドーシーのそれとも一致していた。3人とも、フィード上に表示される投稿の管理権を利用者に与える技術を使って、ソーシャルネットワークの権力を巨大企業から利用者へと劇的にシフトさせる考えを示している。

ツイッターユーザーの1人が同社の取締役会に加わる

アグラワルはその後の数週間で、ツイッターの将来にマスクを積極的に関与させる案について話し合ったと、やりとりの内容を知る2人の関係者が明らかにした。2人はこの件について公に話す権限を与えられていない。

そのうちの1人によると、アグラワルはマスクを取締役会に加えることを歓迎していたという。マスクは8000万人を超えるツイッターフォロワーを持ち、1日に10回以上ツイートすることもある。

ツイッターは4月5日、50歳のマスクを11名で構成される取締役会の一員に指名すると発表した。任期は2024年までとなる。これに先立つ4日、マスクがツイッターの株式の9.2%を取得し、筆頭株主となっていたことが明らかになっていた。アメリカ証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、マスクはツイッター株を14.9%超保有したり、サンフランシスコに本社を置く同社を買収したりしないことに同意している。

アグラワルは5日、「ここ数週間の対話を通じて、イーロンが当社取締役会に大きな価値をもたらしてくれることがはっきりした」とツイートした。

最も影響力のあるツイッターユーザーの1人が同社の取締役会に加わることは、世界の有力者、政治家、著名人、そして2億1700万人以上が日々公開の場で発信を行うツイッターに大きな影響を及ぼす。

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