利用者巻き込まれかねない「ツイッター」の大変化 イーロン・マスクが筆頭株主になって起こる事
マスクは同社取締役の一部とは違って、ツイッターのポリシー(コンテンツ管理基準)に影響を与えることを禁じる取り決めに署名していない。そのため、アグラワルといっしょに「分散型ソーシャルネットワーキング」という未来の構想に取り組むこともできる。
現在のソーシャルメディアのあり方に異議
分散型ソーシャルネットワーキングは、現在のソーシャルメディアのあり方に異議を唱えるものだ。コア技術は公開性と透明性が確保され、世界中のコーダーから監視され、その意見を取り入れながら構築されていくことなる。
その結果、利用者は自身のフィードをカスタマイズし、許容可能な言論の種類について自分専用のルールを独自に設定できるようになるだろう。これは上位に表示する投稿や削除すべき投稿を運営会社が決定する現在のフェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどとは大きく異なる姿だ。
こうした計画は、制約なき自由な言論に対するマスク、ドーシー、アグラワルの信念と合致する。マスクは、プラットフォーム管理の規制がきつすぎるとツイッターを批判、もっと自由な言論が許容されるべきだと主張してきた。
ドーシーも昨年、前大統領ドナルド・トランプをツイッターから追放する決断を迫られ、そうした措置を「祝いもしないし、誇りもしない」と語った。アグラワルは、公共の場での対話はどこまでも社会の利益になると述べている。
過度な自由が誤情報や社会を分断させるコンテンツの拡散を助長しているのではないかという議論が世界的に強まる中で、オンライン空間での言論の自由をめぐる3人の立場はますます異端的なものとなっている。
テスラとスペースXを率いるマスクは5日、「数カ月以内にツイッターに大きな改善」をもたらしたいとツイートしたが、詳細には触れず、コメントの要請にも応じなかった。アグラワルとドーシーもコメントの求めに応じなかった。
ツイッターの広報担当者は、ツイッターの運営に関する日常的な決定は従業員によって行われるため、マスクが直接関与することはないとし、ツイッターはコンテンツ管理ルールの策定と適用において公平な立場を守ると話した。