ダイバーシティ成功のカギは目的の明確化と環境作り

企業パフォーマンスを上げるためのダイバーシティ・マネジメント③


 こうした従来の仕組みや企業風土・環境を変えることは容易なことではない。しかし、少子高齢化により労働人口構造が大幅に変化し、働く人々の労働観、家族構成や働き方へのニーズ、さらには消費者の嗜好も多様化してきている。

その状況下において、多様な人材の能力をフルに発揮させることにより、急激な変化を続ける経済情勢に柔軟に対応できる組織を築くことができるのだ。ダイバーシティ・マネジメントは、ビジネス競争の激化する中で生き残りを懸けた経営戦略なのである。

ダイバーシティを推進するための最初のステップは、下記の4つを明確化することである。

1)自社においてのダイバーシティの定義
2)対応すべき重要なダイバーシティの属性
3)ダイバーシティを推進する理由
4)ダイバーシティを企業メリットにつなげるための具体策

これらを明確にして全社に浸透させないかぎり、ダイバーシティ施策は単なる福利厚生や社会的責任にとどまり、ダイバーシティのデメリットが生じてしまうことは今までの経験により明白である。

まずは企業が主体的にダイバーシティを推進する目的とコミットメントを持つことがスタートポイントとなる。そして、多様性を活かす環境を整えながら、社員一人ひとりがダイバーシティへの理解を共有化し、実践に向けての意識と行動変革を促していくのである。

パク・ジョアン・スックチャ

 アパショナータ代表&コンサルタント ワークライフバランス/ダイバーシティ 日本生まれ、韓国籍。東京で聖心インターナショナル・スクールを卒業。米国ペンシルベニア大学経済学部BA(学士)、シカゴ大学 MBA(経営学修士)取得。米国と日本で米国系企業に5年間勤務。その後、韓国延世大学へ語学留学。日本に戻り米国系運輸企業に入社。同社にて日本・香港・シンガポール・中国など、太平洋地区での人事、スペシャリストおよび管理職研修企画・実施を手掛ける。2000年2月に退社。同年12月に日本で最初にワーク・ライフ・バランスを推進するコンサルタントとして独立。企業での社員の意識改革、働き方改革および教育研修に携わる。また、米国とアジアに精通したグローバルな経験を活かし、ダイバーシティ(多様性)推進に力を注ぐ。企業にもメリットをもたらす手法で進める在宅勤務導入コンサルティングで成功実績を出し、企業での在宅勤務(テレワーク)も専門とする。著書:『会社人間が会社をつぶす−ワークライフバランスの提案』(朝日選書)など。URL: http://www.worklifebalance.co.jp

 

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