不動産投資「区分マンションより戸建て」推奨の訳 3年で10億円築いた会社員が語る資産形成のコツ

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後輩は、なぜ担保価値の低いワンルーム投資に手を出してしまったのか。それは私のような資産を積み上げていくための戦略やロードマップがなかったからでしょう。

不動産投資は1戸目を買うときが最も心理的ハードルが高いと思います。多くの人が清水の舞台から飛び降りるつもりで、テンションを上げて「えいや!」と実行する。いざ買ってみると、融資も案外スムーズに受けられて、「あっ、これでよかったんだ」と相当な達成感が得られます。そして気持ちが落ち着ついてくると、「よし、もう1戸、買おう」とたちまち投資モードに入る。心理的ハードルは2戸目になるとかなり低くなっています。

ただ2戸目では、融資のハードルのほうが上がるので苦労する。でも何とか買える。そこでさらに勢いがつきます。「3戸目、いってみよう」と。ところが、3戸目にはまったく融資が出ない。断られて担保価値やマイナス資産など投資の基礎知識的なことに初めて気づくわけです。

これはやはり、始める前に学ぶべきことは何か、それをどう生かすかといった戦略も立てず、いつ何戸目を買うといった計画もなく、いわば場当たり的に投資したがゆえの「停滞」と言わざるをえないでしょう。

ワンルーム投資は規模拡大に時間がかかる

私は不動産投資を始める前、ある「大家塾」に入会していたのですが、そこの参加者の中にも、「ワンルーム投資から入ったけれども、なかなか投資規模を拡大できない」と悩んで、塾に入ったという人が少なからずいました。

たとえば35歳のAさんは、25歳でワンルームを買って10年かけて残債を減らし、ようやく売ったら利益が出るところまできて、融資が受けられるようになった。だから今度は一棟ものを始めようと思って入塾したと話していました。

もちろん、時間がかかっても結果的に資産形成ができるのであれば、こうした「堅実」なアプローチも悪いわけではありません。ただ私の場合、初めからイヤー・オン・イヤー(前年同期比)で資産を増やしていくという「急成長」戦略だったので、規模拡大に10年もかかるワンルーム投資は論外でした。

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