渋谷109に登場「よつ葉乳業」期間限定店の正体 「よつ葉のバター」は有名だけど、アイスって?
イマダ キッチンについてひととおり説明しておくと、同店舗は渋谷という若者の街に「名物」となるような食を生み出すべく、さまざまな食品メーカーなどと連携して、1〜2カ月の期間限定ショップを開催する情報発信拠点だ。過去には築地銀だこやヤクルトが登場したほか、2022年3月1〜31日の期間はジェラートショップViTO発のピスタチオスイーツ専門店「PISTACCHIO PRO」が展開されていた。
「偏りなくいろいろな企業様にお声をかけさせていただいていますが、例えば小豆のような、大人の方が好む食材をZ世代向けのメニューとして展開する、ということもよくやっております。よつ葉乳業様も、積極的に若い世代に発信していきたいというご要望があり、双方のニーズがマッチした形かと思います」(SHIBUYA109エンタテイメント マーケティング戦略事業部ソリューション戦略部の中島わか菜氏)
店舗のコンセプトは「アメリカンダイナー風」
店舗のコンセプトは「アメリカンダイナー風」。壁の色には春らしくピンクを全面に用い、小物類やフォトスペースには青や濃いピンク、黄緑といった鮮やかな色合いを配している。よつ葉アイスクリームを使ったオリジナルメニューは、若い人の間でトレンドである、「バナナスプリット」をイメージして検討した。バナナスプリットとは、バナナをクリームやチョコ、チョコチップで飾ったスイーツで、アメリカンパーティーを演出する食べ物として人気なのだという。
ただ、本当にバナナスプリットに似せてチョコレートで覆ったり、人工的な色を用いると、素材のおいしさを追求するよつ葉乳業のイメージと合わなくなってしまう。そこで、パフェやミルクセーキにはよつ葉アイスクリームをなるべくそのまま用い、コーン部分にチョコをかけたり、上にチェリーをトッピングするなどして華やかさを演出したという。また、商品に使われる牛乳やクリーム、クリームチーズといった乳製品はすべてよつ葉乳業のものを用いているそうだ。
オープン日の反響を聞いたところ、「若い世代を中心に大盛況。渋谷に来たお客様に新しいコンテンツをお届けし、楽しんでいただけている」(中島氏)とのことだった。
よつ葉乳業の安全・安心というブランドイメージを道外に知らしめるきっかけとなったのが共同購入の仕組み。しかし40年以上前にさかのぼり、共同購入グループを担う人も時代の流れで減少している。これまでよつ葉乳業を知らなかった若い世代に刺さる、新たなイメージを模索、発信していこうというのが、今回のコラボ企画の狙いというわけだ。
なお2022年1月には、同社のカフェ業態の唯一の道外ショップであった「ミルク&パフェ よつ葉ホワイトコージ 東京スカイツリータウンソラマチ店」が惜しまれつつ閉店している。コロナの影響を受けたというよりは、オープン後10年が経過し、「認知を広める」という初期目的を果たしたとの経営判断からだという。といってもこれで終わりではなく、東京ではまた違う形での、認知度アップを目的とする展開を考えているそうだ。
以上、よつ葉乳業とは、その商品に勝るとも劣らない濃い味わいの企業であることがおわかりいただけたのではないだろうか。この機会にショップを訪ね、その企業精神を舌で確かめてみるのもよいだろう。
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