宗教ごとに休める!マレーシアの"超多様性" 「多様性の理解」を突きつめるとこうなる!

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また、マレーシアでは女性も男性と同じように社会に出ており、女性のほうが強いぐらいです。しかし、やはり家庭の負担は女性のほうが大きいので、おのずとタイムマネジメントがとても大切になってきます。子育てで言えば、Quality of time(時間の質)が重視されていて、仕事も子育ても凝縮した時間で時間管理をしながら進められています。

そのために重視されているのが生産性ですね。生産性の向上は国が重要視して推進しており、インフラの整備やサービス分野の改善がどんどん進んでいます。それに人のモチベーションを上げるための国のサポートも大きいです。製造業ももちろん大切ですが、サービス業の向上も目覚ましいものがあります。

「ハラル製品」の工業団地を作るという、柔軟さ

――生産性というお話で言えば、マレーシアはHALAL(イスラム法で認められたもの) HAB、ハラル製品の世界的な貿易・生産の拠点になろうとしていますよね。

はい。国がイニシアティブをとって進めています。

ハラルは世界中にいる20億のイスラム教徒にアプローチできる大きなマーケットです。マレーシアにはHalal Park (ハラル パーク)というハラル産業だけを集めた工業団地があります。ハラル産業を始めたければハラルパークに工場などを持てば材料の調達も簡単ですし、税の優遇もあります。国がハラル産業をひとつの大きなマーケットとして推進しています。特にマレーシアの珍しい点は国のハラル認証のロゴがあることです。

――通常は組織や団体からの認証ですよね。

そうです。しかし、一度認証を受けたからといって、それでいいというわけではありません。認証を受けた後も施設などへの立ち入り検査や更新なども必要です。それでも一度認証を受けたら、食だけでなく、美容製品、医療、さらには靴までハラル製品が必要なので、マーケットは本当に大きいのです。

――靴まであるのですか?

靴に使われている皮が問題になるのですよ。

マレーシアのビジネススタイルは、近年、ITの推進もあり、とてもオープンになりました。もちろん公的な場所ではまだ古いスタイルの年功序列などもありますが、通常の業務の中では、若い人のアイデアを受け入れる自由な雰囲気になっています。

日本企業のマレーシア進出はもともと多いのですが、この近年、特に加速しています。ASEANのメンバーですし、マレーシアとEUのFTAも予定しています。さまざまな自由貿易協定があります。それにインフラの整備も進んで、よりビジネスが行いやすい環境になりました。ぜひ、より多くの企業に進出してほしいですね。

竹村 真紀子 IWCJ代表

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たけむら まきこ / Makiko Takemura

一般財団法人International Women's Club JAPAN(IWCJ)代表理事
International Women's Club ASIA(IWCA)事務局長。日韓中を中心にグローバルマインドをもつ家族で構成される俱楽部を運営し、アジア圏でのビジネスマッチングを推進するとともに、次世代がアジア人としてグローバルに活躍できるよう、30カ国以上の駐日大使館の協力を得て、子ども向けにリトルアンバサダー・プログラムを開催。国際機関で海外人向けの「日本のビジネスマナー」研修を担当。
 

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