GoTo再開前の「ブロック割」驚くほど複雑な中身 市町村が独自に行う割引利用して旅行する手も

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詳細については各県民割のサイトを参照するのが一番確実だが、ブロック内の個々の県民割について確認するのは手間・時間ともにかかる。そこでおすすめなのが、トラベラーズナビ「旅行クーポンサイト」の「県民割 全まとめ」である。

本来であれば、観光庁がこうした情報をとりまとめて提供すべきなのだろうが、実際には旅行者が、各都道府県について逐一トラベラーズナビのようなサイトを頼って調べるしかない。このようなわかりづらさが利用するうえで1つのネックとなっている点は否定できない。

3回目ワクチン接種が前提だが…

もう1つの問題は、3回目のワクチン接種を条件とすることの不公平感である。

県内旅行の場合は(知事の判断によって)ワクチン2回接種もしくは陰性の検査結果の提示で割引の対象となる。だが、県外の人が利用する場合は、ワクチン3回接種もしくは陰性の検査証明が必須となる(12歳未満については保護者などの同伴を条件として県内・県外ともに検査不要)。

65歳以上の高齢者こそワクチン3回接種完了者が8割を超えた一方、国民全体では、約4割にとどまっている(2022年3月28日現在)。

このタイミングでの割引となると、「ワクチン3回接種の済んだ高齢者は割引の対象となるが、接種がまだできない若年層は割引を得たくても得られない」という状況が生み出されてしまう。

3回目のワクチン接種が完了していない人は、各都道府県が実施しているPCR等検査無料化事業(2022年6月30日まで抗原検査が無料)などを利用して陰性証明をとることで対処するしかないだろう。

では、ブロック割の対象とならない都道府県民、あるいはブロック外に旅行したい場合、当面はどのようにしたら割引が得られるのだろうか。

1つは各市町村が独自に行っている割引を利用することだ。これらの割引には、居住地のしばりがないものも多い。

例えば北海道では函館市が「はこだて割」を3月22日から再開している(5月31日まで)し、千歳市の「ちとせ割」も3月25日から7月1日が対象となっている。なお、非常に人気の高かった札幌市の「さぁ!サッポロ割」は、2022年7月以降に実施の予定となっている。

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