復活の丸亀製麺、高単価品が全国CMでヒット 今後は継続的な商品開発力が課題に

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いちよし経済研究所・主席研究員の鮫島誠一郎氏によると「外食業界の経営者は基本的には商品さえよければCMを流さなくても売れると考えている」という。ところが、ハンバーガー、回転寿司、ファミレス、焼き肉などなど、ここまで業態が多岐にわたり、業態内でも選択肢が多くなると、「顧客へのブランドの刷り込みが決定的に重要になっている」と指摘する。

CMは両刃の剣、商品開発が基本

「全国CMは費用の何倍もの効果があった」と粟田社長(撮影:今井康一)

テレビの全国CMの放映料をかりに1カ月で3億円とすれば、年の半分CMを流すだけでも広告宣伝費は20億円近くもかかる。実際にテレビCMを打てるのは、外食でも相当の売り上げ規模のある一部の会社に限られる。またCMを流しても、身近に店舗がなければ、効果も減殺される。その意味では、12月末時点で782店にまで店舗網を張り巡らせてきた丸亀製麺にとっては、全国テレビCMの実施は絶好のタイミングだったのかもしれない。

とはいえ、テレビCMは“両刃の剣”ともいえる。顧客の心は移ろいやすく、CMが途切れれば客数の底上げ効果は薄れてくる。またCMを全国展開しても、それが売り上げに結びつくのは、力のある商品の投入があってこそ。顧客にとってバリューのある商品を継続して開発できるかどうかは大きなチャレンジだ。

粟田社長は2000年に丸亀製麺1号店を開業し、デフレ時代に一気に店舗数を拡大し、急成長を遂げた。果して現在の好調は、商品開発力を軸とした第2の成長ステージの幕開けとなるか、手腕が注目される。

水落 隆博 東洋経済 記者

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みずおち たかひろ / Takahiro Mizuochi

地銀、ノンバンク、リース業界などを担当

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